2015 Fiscal Year Research-status Report
保健指導の効果指標としてのPreference(選好)の変化の適用可能性の検討
Project/Area Number |
15K11869
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
佐藤 潤 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (30448881)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域看護学 / 健康教育 / 保健指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,Preferenceの変化が保健指導の効果指標として適用可能かどうかを検討することである。Preferenceとは,経済学やマーケティングの分野でいわゆる”選好”として用いられている概念であり,本人の価値観から導き出される好みの度合いのことを示す。教育や指導によって,本人のこれまでの価値観が変化し,選好の変化にまで結びつくことは,長期的な効果へと繋がる可能性が考えられており,海外の教育学の分野でも選好の変化に着目した研究が散見されるようになっている。そこで,本研究では,教育や指導の効果の指標としてのPreferenceの変化に着目し,保健指導の実施によって対象者のPreferenceがどの程度変化するのかを分析し,Preferenceの変化が保健指導の長期的な効果と関連するかどうかを検討する。 今年度は,Preferenceの調査方法に関する情報収集等を実施したため,今年度以降は対象にベースラインのPreferenceの計測,ならびに保健指導介入を実施する予定である。なお,ベースラインデータとして,保健指導への参加を予定している対象者から血液指標,セルフ・エフィカシー尺度,行動変容段階,現在の身体活動状況等を収集する。血液指標は当該年度における健診データとする。その他,体重や体脂肪率等必要な測定指標が生じた場合は,保健師と相談の上適宜追加していく。Preferenceの計測にはコンジョイント分析を使用する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施施設の選定に一部困難が生じたため,現在当初計画よりやや遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の遂行で懸念される点は,参加者の数が少ないことによる統計的分析力の欠如である。また,本研究は長期的な効果を検討するために保健指導1年後まで調査を実施する予定である。しかし,調査が長期に渡るため,ある程度の脱落が発生することも予期される。その場合は,複数自治体での調査も検討し,可能な限り統計的検出力を上げる工夫をする。
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Causes of Carryover |
研究の進捗に遅れが生じており,介入が進んでいないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究実施施設への旅費および研究対象者への謝礼等で使用。また,保健指導の際に用いる健康測定器具(先方と調整の上で内容を決定するので現時点では未定)を購入予定。
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