2015 Fiscal Year Research-status Report
極および超低出生体重児における幼児期早期の共同注意行動の発達とその評価法の検討
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15K11876
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Research Institution | Kobe Tokiwa Junior College |
Principal Investigator |
山岡 紀子 神戸常盤大学短期大学部, その他部局等, 講師 (90530725)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 共同注意 / 極低出生体重児 / 超低出生体重児 |
Outline of Annual Research Achievements |
極低出生体重(VLBW)児及び超低出生体重児(ELBW)児の共同注意の発達特徴を正出生体重(NBW)児と比較することで明らかにするという第一の研究目的を達成するために、小児科外来を有する病院でNBW児50名、低出生体重児のための親子教室でVLBW児18名及びELBW児22名のデータを収集した。4段階評価のM-CHATを用いた保護者への質問紙調査はデータをコード化して入力し、CHATの行動観察項目を用いた児の行動観察を施行しビデオカメラで撮影した映像データは専用のパソコンへ入力した。 幼児期早期における簡便、客観的かつ明確な共同注意の評価方法を検討し開発するという第二の研究目的に関しては、Early Social Communication Scale の共同注意の定義に準じて、「はい」「いいえ」の二者択一式の14の評価項目から成る共同注意チェックリストを作成した。また、NBW児群とVLBW及びELBW児群からそれぞれ10%の数の映像データを無作為抽出し、その映像を6名の観察者が1回ずつ評価した結果の一致度をカッパ係数を用いて比較することで、共同注意チェックリストの検者間信頼性を検討した。さらに、共同注意チェックリストによる評価結果及び4段階評価のM-CHATの評価結果を点数化して、スピアマンの順位相関係数を求め基準関連妥当性を検討した。 今年度収集・整理したデータと信頼性・妥当性を検討した共同注意チェックリストを用い、NBW児と低出生体重児(現段階ではデータ数が少ないため、VLBW児&ELBW児とした)の2群の共同注意評価結果の差異をカイ二乗検定にて検討し、まとめた結果を関連学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究実施計画として、1)データ収集・整理、2) 共同注意チェックリストの作成、3)共同注意チェックリストの信頼性・妥当性の検討、4)NBW児とVLBW・ELBW児の共同注意チェックリストによる評価結果の差異をカイ二乗検定にて検討、5)得られた結果をまとめ、関連学会にて発表を挙げたが、いずれも実施できたためおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集・整理を継続し、VLBW児、ELBW児ともに50名のデータを得ることに努め、3群の共同注意行動の評価結果の差異を検討していく。
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Causes of Carryover |
当初予定金額よりも安価でパソコンや統計ソフト等の物品を購入できたことと、書籍や文具等消耗品の購入が少なかったために、次年度使用額(B-A)が生じたと考える。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は2つの学会でポスター発表を予定しているため、「その他」のポスター作製費と、国内学会よりも高額な国際学会の参加費として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)