2016 Fiscal Year Research-status Report
地域の健康づくり活動と地域への愛着の循環的螺旋構造の探究
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15K11882
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
滝澤 寛子 京都学園大学, 健康医療学部, 准教授 (80293819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 尚子 東京慈恵会医科大学, 看護学専攻修士課程, 教授 (80256388)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域看護 / 地域への愛着 / 健康づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
筆者らは先行研究として、農村地域の向老期から老年期を対象に、地域の健康づくり活動参加者が「地域への愛着」を形成するプロセスを分析し、健康づくり活動と地域への愛着の循環的螺旋構造を見出した。本研究ではさらに、「地域の健康づくり活動参加者が地域への愛着を形成するプロセス」における(1)ニュータウン地域と農村地域の地域性による違い、(2)向老期から老年期と壮年期の世代による違いを検討することを目的とした。 平成28年度は、27年度に引き続いて、(2)の向老期から老年期と壮年期の世代による違いの検討を行った。先行研究同様に農村地域を設定し、当該地域で自分や地域の人々の健康づくりを目的に活動をしているグループに所属している壮年期以上の人々を対象に、「自分の住む地域への思い」について半構造化インタビューを行い、データを収集した。収集したデータを、継続比較法を用いて、「健康づくり活動参加者が地域への愛着を形成するプロセス」の分析を進めている。壮年期世代においても、向老期から老年期世代同様に、居住地域での健康づくり活動を通じて自分の役割や居場所を感じている人は「地域」に対して好意的な感情を抱いていた。一方で、向老期から老年期世代では、良さとして語られることが多かった、地域独自の行事や人づきあいについて、肯定的な側面と否定的な側面の両義的解釈を示していたのが壮年期であった。 今後、ニュータウン地域のデータを追加して、地域への愛着を形成するプロセスを完成させていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・今年度は、より壮年期世代が参加していると考えられる健康づくりグループの協力を得て、研究参加者を募ることができたが、自分や地域の人々の健康づくりを目的とした地域組織活動に所属する壮年期世代のメンバーの絶対数が少なく、データ確保の苦難が続いたため。
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Strategy for Future Research Activity |
・ニュータウン地域との地域性による違いの検討にむけて、調査協力の依頼等、準備を進め、データ収集を始めていく。 これらを行うために、さらに研究分担者との話し合いを密に行っていく。
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Causes of Carryover |
研究打ち合わせや調査旅費を他の経費でまかなえたことや、調査対象者の確保に苦難しデータ収集が少し遅れたことで、収集データの入力作業等に使用する予定の費用が残り、当初計画より未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、「地域への愛着を形成するプロセス」を継続比較するために、追加するインタビュー調査や分析に係る費用(調査旅費、データ整理等にかかわる謝金等)、データ分析を共同して行うための費用(旅費等)として、次年度請求する研究費とわせて使用する。
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