2017 Fiscal Year Research-status Report
地域の健康づくり活動と地域への愛着の循環的螺旋構造の探究
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15K11882
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
滝澤 寛子 京都学園大学, 健康医療学部, 准教授 (80293819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 尚子 東京慈恵会医科大学, 看護学専攻修士課程, 教授 (80256388)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地域看護 / 地域への愛着 / 健康づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
筆者らは先行研究として、農村地域の向老期から老年期を対象に、地域の健康づくり活動参加者が「地域への愛着」を形成するプロセスを分析し、健康づくり活動と地域への愛着の循環的螺旋構造を見出した。本研究ではさらに、「地域の健康づくり活動参加者が地域への愛着を形成するプロセス」における(1)ニュータウン地域と農村地域の地域性による違い、(2)向老期から老年期と壮年期の世代による違いを検討することを目的とした。 平成29年度は、(1)のニュータウン地域と農村地域の地域性による違いの検討に着手した。国土交通省 土地・建築産業局の定義を参考に、ニュータウン地域を「高度経済成長期の都市への人口集中に対して郊外に計画的に開発された地域」とし、「①昭和30年度以降に着手された事業」「②計画戸数1,000戸以上又は計画人口3,000人以上の増加を計画した事業のうち、地区面積16ha以上であるもの」「③郊外での開発事業」の条件を満たす住宅・宅地開発事業で開発された地域を選定し、調査フィールドを設定した。当該地域で自分や地域の人々の健康づくり活動をしているグループに所属している壮年期以上の人々を対象に、「自分の住む地域への思い」について半構造化インタビューを行い、データを収集した。収集したデータを、継続比較法を用いて、「健康づくり活動参加者が地域への愛着を形成するプロセス」を分析しているところである。 ニュータウン地域においても農村地域同様に、居住地域での健康づくり活動を通じて自分の役割や居場所を感じている人は「地域」に対して好意的な感情を抱いていた。その地域にかかわりをもつようになる出発点のありようが、農村地域と異なっていると考えられる段階であり、今後、さらに追加データの継続比較を加えて、地域への愛着を形成するプロセスを完成させていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
自分や地域の人々の健康づくりを目的とした地域組織活動に所属する壮年期世代のメンバーの絶対数が少なく、データを確保するのに苦難してきたことが影響し、ニュータウン地域の調査が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
地域への愛着を形成するプロセスの完成を目指して、継続比較を進める。さらに研究分担者との話し合いを密に行い、地域性による違いの検討を進める。
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Causes of Carryover |
(理由)調査対象者の確保に苦難しデータ収集が少し遅れたことで、当初計画より未使用額が生じた。
(使用計画)「地域への愛着を形成するプロセス」を継続比較するために、追加するインタビュー調査や分析に係る費用(調査旅費、データ整理等にかかわる謝金等)のほか、データ分析を共同して行うための費用(旅費等)として使用する。
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