2015 Fiscal Year Research-status Report
市町村保健師の処遇困難事例への支援技術教育プログラムの開発
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15K11884
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前野 有佳里 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20432908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮園 真美 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (10432907)
鳩野 洋子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20260268)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 保健師 / 精神障害者 / 処遇困難事例 / 支援技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、精神障害者の処遇困難事例支援において、市町村保健師に必要とされる技術を明らかにし、その技術の獲得過程を踏まえた教育プログラムを開発することである。 本年度は、先行研究で作成した支援技術項目の内容的妥当性を検討した。具体的には、(1)県保健所で精神保健福祉業務を担当している熟練保健師5名によるグループインタビュー、(2)支援技術項目の修正を行った。また、並行して、(3)保健所等が作成している処遇困難事例への対応に関連するマニュアルから保健師の技術に関する内容を抽出し、市町村での活用を検討した。 (1)は、計画では市町村の熟練保健師へのグループインタビューとしていたが、精神保健業務自体が市町村では十分機能していない自治体も多く、熟練者のリストアップが困難であったため、まず、県保健所の熟練保健師へのグループインタビューを試み、技術項目としての適切性や表現(理解可能か)の検討を行った。技術項目案は、精神保健業務に熟練している者へのインタビューから抽出したため、熟練者特有の動きであり、基本を踏まえた動きへの修正が必要であること、項目の実践可能性について(実際に誰でもできるものではない等)技術レベルに差があることなどが明確になった。(2)は、(1)の逐語録を作成し、修正の検討を進めている。(3)は、再度、文献検討により、自治体が作成したマニュアル以外の書籍や、精神障害者以外の領域であるセルフ・ネグレクトの支援技術項目などからも、内容の検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画は、(1)文献検討による支援技術項目の追加・修正、(2)市町村の熟練保健師の意見聴取(グループインタビュー)による支援技術項目案の精錬、であった。 現在、(2)は対象者を選定する過程で、市町村保健師を対象に行うことは難しいことがわかったため、県保健所の熟練保健師を対象とした意見聴取(グループインタビュー)を試みた。そのため、指標案を精錬したのち、市町村保健師に項目の実践可能性などを聞き取る必要性が出た。 (1)の支援技術項目の追加・修正は着手中である。 現在、(1)(2)ともに進んでいるが、支援技術案項目の精錬を完了するまでには至らなかったため、引き続き検討を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度に引き続き(1)文献検討による支援技術項目の追加・修正、(2)グループインタビュー結果に基づいた支援技術項目案の精錬を行う。加えて、修正した支援技術項目案について、市町村保健師に項目の内容妥当性を確認する。 修正支援技術項目案の作成に続き、指標案妥当性検証を目的に、全国の市町村保健師を対象とした質問紙調査を実施する。
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Causes of Carryover |
今年度は、市町村保健師への調査(インタビュー・質問紙)に先行して、熟練した県保健師へのインタビューを実施した。この県保健師を対象としたものは、当初の研究計画に加えて、実施する必要があったため、対象を九州内としたため、使用計画と差が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の執行予定として、前述の市町村保健師への調査(インタビュー、質問紙調査)に必要な経費及び事前調査の資料(関係図書等)を積算した。また、今年度は研究2年目であり、成果発表をしていく必要があることから、海外での学会参加に必要な費用の積算、加えて海外の活動を具体的に調査するための費用の積算を行った。 以上を積算し、今年度の実施分に必要な経費を、昨年度より持越しており、計画的な研究費の支出が出来ると考えている。
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