2015 Fiscal Year Research-status Report
在宅高齢者の飲酒問題に対する効果的な介入プログラムの開発
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15K11888
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
吉岡 幸子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40341838)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / 飲酒問題 / 地域包括支援センター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、高齢者の飲酒問題を抱えている方への介入方法のプログラム開発である。 地域包括支援センター専門職員は飲酒に問題のある高齢者に対して教育研修が不十分にも関わらず、高齢者支援の第一線現場で活躍している現状である。申請者らの研究では、アルコール依存症等を伴う事例に対して【対応の弱さを感じる】を語り、飲酒が関連している事例の対応に苦慮していることを報告した(浜崎2011)。つまり飲酒自体が問題ではなく、多量飲酒や連続飲酒等により健康を害しているにも関わらず、飲酒が止められず、中には酩酊状態となってもサービスを拒否している事例に対して、介護の専門職は、介入方法がわからないためのジレンマや無力感を抱えている状況であり、本研究は、その支援者のための介入プログラムを開発する必要がある。平成27年度は、地域包括支援センター職員(看護師、社会福祉士、主任介護支援専門員等)8人に対して、以下のインタビューガイドを中心に半構成化面接法により質的記述的研究を実施した。 (1)高齢者のアルコール関連問題事例に係わった契機、その内容と支援プロセス、現段階での状況を把握(2)困難事例となる条件や要因と状況、および生じている結果を構造的に現象として捉える。(3)支援者がどのような方法で、どのようなやりとりを経て、どう展開しているのかをプロセスを現象として捉える。以上、平成28年度に実施した内容であり、現在は、以下のことを進めている状況である。(1)上記で得られた、現象を、現象ごとにサブカテゴリーからカテゴリーを抽出し、その内容を類型化していく。(2)困難事例の状態像を示す項目の類型化と困難事例に対する支援者側の要因を類型化に分け、質問紙を構成する要素を選定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象者への半構造化面接は実施しているが、対象者が若干少なく5人ほど予定している。平成28年度は、インタビュー結果をもとに質問紙調査を行う予定で準備は進めている。全国の地域包括支援センターのリストや発送に関する準備等は準備を進めている。質問紙の内容は、昨年のインタビュー結果をもとに、作成予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、平成27年度の調査結果から質問紙による量的記述調査を実施予定である。 調査内容は、以下の内容が抽出できるような質問紙内容を考えている。(1) 困難事例の状態像を示す複数の項目に対して、アセスメントの実態を把握する。(2) (1)の結果より支援者が捉えるアセスメント項目より重要だと捉えている因子を抽出する。(3) 困難事例に対する支援者の複数の要因項目に対して、実態を把握する。(4) (3)の結果より、支援者の困難事例に対する要因因子を抽出する
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Causes of Carryover |
平成27年度のインタビュー研究の対象者数が少ないため予算より少ない支出であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、その分も含め継続して行う予定である。当初計画より、上記遅れているため、今年度は、研究補助員を増加し、本年度研究が予定通りに行うことができるように対応する。
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