2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an effective intervention program for drinking problems of the elderly at home
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15K11888
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
吉岡 幸子 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (40341838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸井 和佳 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (30453658)
小宮山 恵美 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (20775051)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高齢者 / 飲酒 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域包括支援センターは、在宅高齢者に対する支援の中心的役割を担っており、高齢者の飲酒問題は退職後の役割喪失や独居等により飲酒問題を引き起こすといわれている。地域包括職員へのインタビューでは、専門職自身は否定的的感情が芽生えつつも、役割遂行の強い決意の中で対応している実態が把握でき、飲酒のみならず認知機能や暴言等問題ある事例は、困難事例として、他機関と共同して対応していた。アルコール専門施設職員のインタビューの結果では通所が基本であり、身体的問題(歩行障害や認知機能等)の場合は通所が難しく、またAAの治療モデルである12ステップに、基づく回復は困難な要素が多く、他の通所メンバーとの関係性も難しいとの結果であった。保健所相談では、高齢者の飲酒事例の相談事例は比較的少なく、各部署との共同で実施していた。最終年度にアメリカ視察により大きな知見が得られたこととして、AA(セルフヘルプグループ)の根幹となっている12ステップに対する市民の認識であった。飲酒問題で仕事や家族も失い自己肯定感が低くなっている方が12ステップ終了者は自分の生き方を変えることができた成功者であると認識されており、飲酒問題がある場合には、インターベンションを行っている施設やカウンセラーのもとで回復していくということが浸透しているようであった。アルコール入所施設では明るい雰囲気の中で、飲酒問題を持っている高齢者が、同じ仲間とともに飲酒問題のある自分自身と真摯に向き合い、共同生活をする中で、回復している姿があった。日本では、今後増加するであろう高齢者の飲酒問題の認識はあるものの、専門職の人材不足、専門病院不足、通所施設の不足など課題があり、日本に飲酒問題への取り組みの遅れを認識した。今回は高齢者の回復プログラム試案の実施を増加し、評価検証の必要性が示唆された。
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