2017 Fiscal Year Research-status Report
地方都市住民のライフスタイルと身体活動に関する研究
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15K11898
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
宮崎 有紀子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (00251190)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 身体活動 / 地方都市 / 健康増進 / 近隣環境 / ライフスタイル |
Outline of Annual Research Achievements |
地方都市に在住・在勤している人々を対象として,日常の生活(通勤,仕事,余暇等)における身体活動の実際と,身体活動に関する意識,居住地域の利便性(安全性や歩きやすさ等)や近隣の社会的環境との関連を明らかにし,ライフスタイルの特徴に応じた身体活動量増加・維持のための支援方法を検討することを目的に,無記名・自己記入式調査を行った.調査は平成28年度に実施し,平成29年度には,データ分析・まとめを行った. 勤労者1990人(回収550人)を対象とした調査の分析では,余暇時間の身体活動に着目した.余暇時間の身体活動は,性別,年齢により異なる傾向がみられた.中等度のスポーツ・運動は高年齢層で多く,強い強度のスポーツ・運動は若年層で多い傾向がみられ,男女別では男性のほうが多く実施していた.生活活動については,中等度の生活活動は女性で多かった.余暇時間のスポーツ・運動の実施の有無は,行動変容ステージ,自覚的健康感,歩数計装着,歩く速さ,近隣歩行環境要因と有意な関連がみられたが,生活活動については有意な関連はみられなかった. 高年齢者(定年退職者等)604人(回収341人)を対象とした調査の分析では,国際標準化身体活動質問票(IPAQ日本語版)を用いた身体活動量,および歩行時間に着目した.身体活動量と歩行時間は,自覚的健康感,歩数計装着,歩く速さと有意な関連がみられた.身体活動量および歩行時間と近隣環境要因との関連性はみられたが,勤労者の場合とは異なっていた. 今回の分析では,身体活動と近隣地域環境の特徴の認知等の関連がみられ,身体活動の高い群では居住地域の利便性や徒歩環境等の項目を肯定的に認知している傾向がみられた.これは先行研究と同様の傾向であり,身体活動量の増加・維持に向けた健康づくり支援に,環境要因の活用可能性が示されたと考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ分析について,当初予定していた分析を年度内に終えられず,補助機関延長を申請し承認された.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に行ったデータ分析より,勤労者では近隣環境の認識に性差があることが明らかであった.また先行研究でも歩行等の身体活動量と環境要因との関連を検討する際の性差が示されていることから,性別を考慮した分析が必要であると考える.また高年齢者に関して,活動量や歩行時間の群分けの基準とした数値(歩行時間に関しては,今回は国際的に使われている週当たり150分を使用)見直す必要があるかもしれない. 今後は活動の種類別に,環境要因のほかにも種々の要因(年齢,性別,行動変容ステージ,通勤方法等)の影響を考慮した分析が必要であると考える.平成30年度は分析の追加を行い,まとめることを予定している.
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Causes of Carryover |
(理由)追加データ収集・分析を行うことができなかったため,それにかかる経費が支出されず,次年度使用額が生じた. (使用計画)引き続き,データのクリーニングと分析の追加,研究発表等を行っていく予定であり,それに係る消耗品,人件費等の経費として使用する予定である.
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Research Products
(2 results)