2015 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の社会参加促進プログラムは健康増進や近隣ネットワーク形成に寄与したか
Project/Area Number |
15K11900
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 美由紀 神奈川工科大学, 看護学部, 准教授 (80550318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 博 桜美林大学, 自然科学系, 教授 (00132902)
齊藤 恭平 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (40279443)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / 社会参加 / ヘルスプロモーション / 近隣ネットワーク / 効果評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、予備調査ならびに追跡調査を実施した。 予備調査では、平成27年8月に行政や各地区に保存されていた資料の閲覧、3地区における地域活動のキーパーソン、行政などの支援者へのヒアリングを実施した。介入地区に共通していたのは、現在まで行政などによる支援が継続されていること、3地区の活動は自治会活動として位置づけられ、自治会から助成金が交付されていることなどだった。 初回調査と追跡調査ともに、介入3地区と対照地区に居住する65歳以上の全高齢者を対象として、郵送留め置き法にて質問紙調査を実施した。初回調査は介入開始前の平成17年1月に850名を対象に実施し、796名から回収があった。追跡調査は、平成27年7月に945名を対象に実施し、895名から回収があった。 介入3地区と対照地区の4群に分け、t検定により群内比較を行った。 初回調査時における対象者の年齢は、Y地区72.8歳、N地区73.7歳、T地区74.5歳、対照地区75.3歳であった。4地区ともに追跡調査時の方が有意に年齢は高かった。Y地区は初回調査時よりも追跡調査時の方が、ボランティア活動、健康満足感の得点が有意に高く良好であった。N地区においては、ボランティア活動と日常生活動作自己効力感の得点が初回調査時よりも追跡調査時の方が有意に低下していた。T地区は、追跡調査時の方が地域活動と健康満足感の得点が有意に高く良好であった。対照地区においては、ボランティア活動、健康満足感の得点が有意に高く、友人数が有意に低下していた。人的サポート満足感においては、4地区ともに初回調査時と追跡調査時に有意差はみられなかった。 介入3地区では友人数は初回調査時と追跡調査時とでは有意差がみられなかったが、対照地区においては有意に低下しており、高齢者の役割の見直しに基づく社会参加促進プログラムは社会的ネットワークの維持に寄与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた平成27年度の実施予定内容をすべて遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度も行政、地区の協力を得ながら研究を推進する。現在のところ、研究を遂行する上での課題は特にない。
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Causes of Carryover |
当初の予定より研究フィールドへの宿泊日数が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は介護保険データの分析を予定しており、データを保存する電子媒体等の購入に充当する予定である。
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