2015 Fiscal Year Research-status Report
閉じこもり高リスク者に早期介入する、地域サロンと訪問支援の統合化プログラムの開発
Project/Area Number |
15K11904
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
下園 美保子 帝京大学, 医療技術学部, 助教 (90632638)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / 閉じこもり / 介護予防 / アウトリーチ / プログラム評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は現在の地域サロンの見直しと、介入による成果の段階的な指標の検討を目的に、1)文献検討、2)地域サロン評価を目的としたインタビュー、3)統合化プログラム介入による成果の段階的な指標の検討を計画した。 1)文献検討:医学中央雑誌文献データベース、CINAHL、Google Scholarを用いて「閉じこもり」、「介護予防」、「プログラム評価」、「プロセス」をキーワードに検索された論文95編について検討した。2)地域サロン評価を目的としたインタビュー:A町の保健師、主任ケアマネージャー、社会福祉士にインタビューを実施した。また、A町が実施した基本チェックリスト結果から低栄養や転倒のリスクがある高齢者10名に訪問にてインタビューを行った。さらに要介護認定情報や地域サロンで測定した測定結果を突合したデータセットを作成できるようA町担当者と調整を行った。3)指標の検討:指標検討の基礎資料としてA町における現場担当者へのインタビューを実施した。また事例数増加を図り研究結果の信頼性を高めるため、都内B区のゴミ屋敷124事例のカルテから情報を収集した。 本研究は閉じこもりに至るプロセスを事例や文献から整理し、そのプロセスからどのタイミングでどのような介入が必要かを洗い出し評価項目を作成するプロセス評価方法や、アウトカム評価項目との相関を見ながら介入を評価するといったプログラム評価の概念を導入している。そのためには、約100編の文献検討と、現場担当者のインタビュー及び対応事例のカルテ等は、それらの評価項目を検討する上で必要不可欠な基礎資料となる。また、事例からプロセスを整理するためには、事例数が多い方がより普遍的なプロセス評価が可能となる。都内B区にも研究にご協力を頂き事例数を一定数確保することができたことは、本研究の信頼性と妥当性を向上させる上で非常に大きな意義を持つ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は初年度ということもあり、研究を開始するためのフィールドへの説明等の基盤環境整備、指標の検討に必要な論文収集、住民や現場担当者へのインタビュー調査、地域サロン評価に必要な一元化されたデータ等の収集等を実施した。さらに当初計画よりも研究フィールドを広げて事例数を追加したことを加味すると、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に収集した文献やデータ等を用いて、現在の地域サロンの評価を行う。また、段階的な評価の指標の検証と「閉じこもり高リスク者を対象とした地域サロンと訪問支援の統合化プログラム」の開発を行うために、現場で活動する担当者や研究者等でグループワークを実施する。統合化プログラムの開発に先立ち、開発に用いるグループワークの手法について、専門家による講演を企画する。
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Causes of Carryover |
物品購入に端数が生じたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度に予定していた消耗品購入に充てる
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