2017 Fiscal Year Research-status Report
前期高齢者の効果的・効率的支援の為の介護予防と特定保健指導との連携システムの開発
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15K11905
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
浜崎 優子 佛教大学, 保健医療技術学部, 教授 (00454231)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 介護予防 / 生活習慣病 / 連携 / 前期高齢者 / 特定保健指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、生活習慣病予防と介護予防との連携に関するアンケート調査を実施した。全国の1841市区町村の特定健診・特定保健指導の主管部署を対象に郵送による自記式質問紙調査を行った。401件(21.8%)から有効回答があった。回収したアンケートのデータ入力が終了し、順次分析を進めている。 その結果、前期高齢者に対する特定健診・特定保健指導の主管部署と介護予防担当部署との連携について、連携している(38.5%)、連携に向けて検討中(36.7%)だった。成人期から高齢期までの切れ目のない支援を行うにあたり、97.5%の保健師が介護予防担当部署との連携が必要であるとの認識であった。 前期高齢者に対する介護予防担当部署と連携していると回答した152市区町村について、まず、個人を対象にした支援としては、双方のハイリスク者の情報共有(33.6%)、地域包括から治療中断の重症化予防対象者の情報提供(24.6%)、次に、地域全体に対する支援としては、生活習慣病予防の健康教育を介護予防事業に組み込むなどの事業間連携をしている(36.8%)、地域ケア会議に参加している(30.8%)、独自に部署間連携をしている(11.2%)などを実施していると回答した。同152市町村に対し、介護予防担当部署と連携することでの効果について尋ねたところ(複数回答)、脳血管疾患などの循環器疾患の発症の抑制につながった(24.8%)、要支援・要介護の認定率の低下につながった(21.7%)と回答していた。しかし、約6割は効果まで検証していなかったり、評価期間が短かったりと回答しており、効果を示すまでに至っていない状況がうかがわれた。 介護担当部署との連携に関するインタビューの実施について、401市区町村のうち、55箇所がインタビューを受けてもいいと回答した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年度にアンケート作成に予想以上の時間を要したことが影響し、2017年度はアンケート実施時期が1月となり、すべてのアンケートを回収し、データ入力が開始されたのが3月となった。その関係で、アンケートのデータ分析や特定健診・特定保健指導主管部署の保健師へのインタビュー調査の調整と実施が2018年度にずれ込む結果となった。 現在までの進捗としてはやや遅れている状況といえるが、研究計画に沿って着実に前進しており、このまま計画に沿って鋭意取り組んでいく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は、アンケートのデータ分析および特定健診・特定保健指導主管部署の保健師へのインタビュー調査の調整とインタビューの実施を予定している。まず、アンケートのデータを分析し、学会にて公表していく。次に、44か所から同意が得られた特定健診・特定保健指導主管部署の保健師へのインタビュー調査について、インタビュー実施の自治体選定、訪問に向けた実施計画の検討に入る。9月以降は実際のインタビュー調査を実施する予定である。申請者らの予想を超えた55の自治体から希望があったため、可能な限り多くの自治体に訪問したいと考えている。そのため、インタビューの実施および分析に当初考えていた以上の時間を要する可能性がある。 以上から、全体の研究の進捗状況の遅れもあり、今後の状況を見ながら研究計画の変更もあり得るのではないかと考え、研究の推進方策を検討しているところである。
※連携研究者 岸恵美子(東邦大学看護学部・教授)、森河裕子(金沢医科大学看護学部・教授)、森本茂人(金沢医科大学医学部・教授)、殿山範子(国際医療福祉大学大学院・博士後期課程)
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Causes of Carryover |
(理由) 研究の進捗状況がやや遅れていることで、データ入力の委託費などの支払いが2018年度にずれ込んだ。さらに、次に必要となるインタビュー調査に要する旅費なども2017年度は発生しなかった。そのため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 研究計画に沿って、データ入力委託費、インタビュー調査に要する旅費に充てる予定である。
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