2017 Fiscal Year Annual Research Report
Capability of plants to adapt themselves to altered gravity environments
Project/Area Number |
15K11914
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
唐原 一郎 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (60283058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒲池 浩之 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 准教授 (40262498)
玉置 大介 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 特命助教 (20793053)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 微小重力 / 過重力 / 宇宙環境 / 生活環 / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度,国際宇宙ステーションで33日間栽培されたシロイヌナズナを用い,花序柄の組織の発達に微小重力環境が与える影響を調べた結果,微小重力という長期間の異なる重力環境下では,これまでの短期間の過重力実験でも見られなかった,髄腔や繊維形成に対する重力の影響が観察された.そこで本研究では,地上の3 G環境下において,より長期間である45日間栽培された花序柄の先端部および基部の節間を切り出し,固定と包埋を行い,横断切片を作製し,過重力環境がシロイヌナズナの花序柄の内部組織形態に与える影響を調べた.その結果,現時点では調査試料数がやや少なく予備的であるが3 G区の基部では,横断面全体,表皮,篩部,形成層,木部,髄腔の横断面積が,1 G区と比べ有意に増加していた.また,先端部の各組織では増加傾向が見られた.先端部での横断面積の増加度合いは10 G実験区での増加ほどでなく,重力加速度の大きさの違いを反映していると考えられる.組織横断面積の増加に細胞数の増加が伴うのか否かについては今後の課題である.また,3 G区では髄腔の形成が抑制傾向であったが,先行研究での微小重力区では促進傾向であり,重力が髄腔形成を抑制する可能性が示された. 一方,過重力実験では遠心力を用いるため,遠心中に振動が発生した場合は問題となる可能性が有り,また対照実験において揃えることが難しい条件となる。そこで本研究では、2台の過重力植物栽培装置(MIJ-17, MK-3)の振動特性を解析しその振動がコケ植物の成長に及ぼす影響を調べた.その結果,MIJ-17では不規則な振動が観察され,MK-3では10 Gでさえほとんど振動は見られなかった.しかし,MIJ-17の遠心時の振動でさえも,ヒメツリガネゴケの形態形成にはほとんど影響しないことが確認できた.
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[Journal Article] 宇宙における植物の生活環 -茎の組織形成に対する長期過重力影響および根系形態可視化の試み-2018
Author(s)
唐原一郎, 篠笥公隆, 黒金智文, 村本雅樹, 玉置大介, 矢野幸子, 谷垣文章, 嶋津徹, 笠原春夫, 山内大輔, 上杉健太朗, 星野真人, 峰雪芳宣, 蒲池浩之, 久米篤, 西内巧, 曽我康一, 吉田久美, 半場祐子, 藤田知道, 神阪盛一郎
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Journal Title
Space Utilization Research
Volume: 32
Pages: SA6000117008
Open Access
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[Journal Article] 過重力に対するヒメツリガネゴケの成長・光合成応答メカニズム ー遺伝子発現と形態解析ー2018
Author(s)
半場祐子, 安田柚里, 阪口直哉, 亀石隆司, 竹村香里, 阪口直哉, 渡辺璃那, 北島佐紀人, 藤田知道, 横井真希, 坂田洋一, 篠澤章久, 久米篤, 唐原一郎, 蒲池浩之, 森耀久
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Journal Title
Space Utilization Research
Volume: 32
Pages: SA6000117010
Open Access
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[Presentation] 宇宙における植物の生活環 -茎の組織形成に対する長期過重力影響および根系形態可視化の試み-2018
Author(s)
唐原一郎, 篠笥公隆, 黒金智文, 村本雅樹, 玉置大介, 矢野幸子, 谷垣文章, 嶋津徹, 笠原春夫, 山内大輔, 上杉健太朗, 星野真人, 峰雪芳宣, 蒲池浩之, 久米篤, 西内巧, 曽我康一, 吉田久美, 半場祐子, 藤田知道, 神阪盛一郎
Organizer
第32回宇宙環境利用シンポジウム
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[Presentation] 過重力に対するヒメツリガネゴケの成長・光合成応答メカニズム ー遺伝子発現と形態解析ー2018
Author(s)
半場祐子, 安田柚里, 阪口直哉, 亀石隆司, 竹村香里, 阪口直哉, 渡辺璃那, 北島佐紀人, 藤田知道, 横井真希, 坂田洋一, 篠澤章久, 久米篤, 唐原一郎, 蒲池浩之, 森耀久
Organizer
第32回宇宙環境利用シンポジウム
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[Presentation] ロックウール中で発達したシロイヌナズナ根系のX線マイクロCTによる観察の試み2017
Author(s)
黒金智文, 松井亮, 玉置大介, 矢野幸子, 谷垣文章, 徹 嶋, 笠原春夫, 山内大輔, 上杉健太朗, 星野真人, 峰雪芳宣, 神阪盛一郎, 唐原一郎
Organizer
第 46 回根研究集会
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[Presentation] X線マイクロCTによるシロイヌナズナ根系形態解析の試み2017
Author(s)
黒金智文, 松井亮, 玉置大介, 矢野幸子, 谷垣文章, 徹 嶋, 笠原春夫, 山内大輔, 上杉健太朗, 星野真人, 峰雪芳宣, 神阪盛一郎, 唐原一郎
Organizer
日本植物形態学会第29回総会・大会
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[Presentation] X線マイクロCTによるシロイヌナズナ根系の可視化の試み2017
Author(s)
黒金智文, 唐原一郎, 松井亮, 玉置大介, 矢野幸子, 谷垣文章, 嶋津徹, 笠原春夫, 山内大輔, 上杉健太朗, 星野真人, 峰雪芳宣, 神阪盛一郎
Organizer
日本植物学会第81回大会
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[Presentation] 宇宙における植物の生活環 ー根系形態解析の試みー2017
Author(s)
唐原一郎, 黒金智文, 松井亮, 玉置大介, 矢野幸子, 谷垣文章, 徹 嶋, 笠原春夫, 山内大輔, 上杉健太朗, 星野真人, 峰雪芳宣, 神阪盛一郎
Organizer
日本宇宙生物科学会第31回大会
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[Presentation] Morphological analysis of tissues in the peduncle of Arabidopsis grown under microgravity by conventional microscopy and X-ray micro-CT2017
Author(s)
Karahara I, Muramoto M, Sujishi S, Tamaoki D, Yano S, Tanigaki F, Shimazu T, Kasahara H, Kasahara H, Yamauchi D, Uesugi K, Hoshino M, Takeuchi A, Suzuki Y, Mineyuki Y, Kamisaka S
Organizer
The 3rd East-Asia Microscopy Conference
Int'l Joint Research