2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K11941
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
Gill ThomasP. 明治学院大学, 国際学部, 教授 (50323655)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 福島 / 原発 / 被災者 / 避難者 / 放射能 / 帰還困難区域 / 賠償金 / 飯舘村 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は半年イギリスのオクスフォード大学ニッサン日本研究所、半年福島大学のうつくしまふくしま未来支援センターで過ごしました。その間論文4本(英語1本、日本語3本)を仕上げた。いずれも、フィールドワークの成果を元にした学術論文だる。 (1)「新たなローカリティを創発せざるを得ない人々」。関根康正編、『ストリート人類学ー方法と理論の実践的展開』、33~57頁。東京:風陽響社、2018年2月出版。 (2)."Sudden Exile, Sudden Wealth: Fukushima’s Nuclear Aristocracy in Exile." 英国Japan Forum 雑誌、近刊。 (3)「突然の追放、突然の富:福島の原発貴族」。トム・ギル編、『7年間の痛み:福島原発事故被災者の試練』(京都:人文書院)、近刊。 (4)「サバルタンは語ることができる:被災者の目で見た福島第一原発事故」。関谷雄一と高倉宏樹編、『福島原発事故と震災復興の公共人類学』東京:東京大学出版会、近刊。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
福島市と飯舘村を中心に行っていたインタビュー調査は無事に終わった。フィールドノートは約9万字(日本語)、3万語(英語)を作成した。その研究資料を基に、すでに4本の学術論文(1本出版済み、3本近刊)を仕上げ、現在モノグラーフグラフは作成中。ただし、福島大学に所属しいたとき、何人かの興味深い研究院と知り合って、本来研究企画になかった「避難者論集」を作成することにした。出版社(人文書院)は決定で、9名の研究院という体制で進めている。今年の末まで出版する見込みである。ただ、この作業により、自分だけの本(単著・モノグラフ)は多少遅れてしまっているのは事実である。これは来年度(英語)、再来年度(日本語)という見込みになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
4月1日からサバティカルが終わり明治学院大学に戻り、学科主任になった。これで教育活動と研究を両立することになったが、まだまだ確実に進んでいる。 今年度は二つのシンポジウムを企画している。(1)7月7~8日(明治学院大学横浜キャンパス、戸塚、英語と日本語)、(2)7月14日(福島市、コラッセふくしま、日本語のみ)。ここで集まるのは私が編集する論集『7年間の痛み:福島原発事故被災者の試練』の著者たちと彼らがお世話になっているキーインフォーマントである。 この二つのシンポジウムの議論を元にして、論集の各章を磨き、秋から出版社に渡すという予定である。その後、自分の単著の英語著作に集中できる。
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Causes of Carryover |
2017年度は半年福島市に暮らしながらインタビューやフィールドワークを行ったが、思っていたほどお金がかからなかった。一方2018年度は二つもシンポジウムを行い、論集も出版するから、もっとお金が必要になる。その3件のプロジェクトを進めると同時に、福島出張は定期的に続くから、これにも出費が発生する。今までに行ったインタビューの一部はまだテープ起こしを行っていないから、この費用にも研究費を使う予定である。
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Research Products
(5 results)