2015 Fiscal Year Research-status Report
介護保険制度改革が人口、介護の質および厚生に与える影響についての理論的研究
Project/Area Number |
15K11968
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
伊藤 健宏 岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (40364418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迫 一光 高千穂大学, 人間科学部, 准教授 (30547360)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 公的介護制度 / 財政学 / 社会保障制度 / 人口成長率 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は, 公的介護制度が存在する経済の下,利用者負担率を変更することによって人口成長率, 物的資本ストック, 家族内介護の質, 介護サービス事業者が供給する介護の質と価格, および経済厚生にどのような影響が生じるのかについて検討した。公的介護制度の利用者負担率の軽減は, 資本ストックを増加させ, 人口成長率を減少させる. 利用者負担率の軽減により人口成長率が減少するのでそれに伴い, 家族内介護の質は劣化する. 利用者負担率の軽減により介護サービス事業者の行う介護の質が向上するかどうかは, もとの利用者負担率の大きさに依存するが, 介護サービス価格は必ず上昇する. 経済厚生については次のような結論を得た. 次世代の人口への関心の大きさ如何で, 利用者負担率を軽減する場合と退職世代に負担を求める場合が望ましい二つの状況が存在することを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね順調に進展をしている。平成27年度は九州産業大学で行われた日本応用経済学会および国士館大学で行われた日本経済政策学会で研究報告を行っている。また、「研究概要の実績」にて記載した研究は雑誌に投稿し、現在査読を受けている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度作成したモデルを用いて消費税を財源とした公的介護制度の改革についての議論を深める。また、これとは別に環境税を財源とした社会保障制度のあり方についても研究を深め、それぞれについて学会等で研究報告を行い、雑誌投稿に向けた準備を行う。
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