2015 Fiscal Year Research-status Report
因果関係確率数理分析を用いた公共価値指向地域活性化団体の定量的政策評価法の開発
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15K11973
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
保井 俊之 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科(日吉), 特別招聘教授 (50567758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白坂 成功 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科(日吉), 准教授 (00588741) [Withdrawn]
前野 隆司 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科(日吉), 教授 (20276413)
坂倉 杏介 東京都市大学, 都市生活学部, 准教授 (90458935)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インプット・アウトプット・アウトカム評価 / RADモデル / マルチステークホルダー協働型ワークショップ / Sys-CRD-BNNモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
集合知と対話を活用するマルチステークホルダー協働型の地域課題解決のためのワークショップを構造化するSys-CRD-BBNモデルを「インプット・アウトプット・アウトカム評価(IOO評価)」と名付け、そのモデルをアーキテクチャ設計し、実装できる段階まで完成させた。そして構築したIOO評価モデルを、岡山県、宮城県、東京都並びにタイ・スリン等で実証実験のためのワークショップを5か所以上で行うことで、IOO評価モデルの有効性を実証した。さらにIOO評価モデル及びモデルの有効性について、原著論文を関東都市学会のジャーナルに投稿して採録された。 他方で、本研究の次のステップとして、そもそもはIOO評価モデルが内含する因果関係ダイアグラム(CRD)がベイズ推計ネットワーク(BNN)との接合を予定していたところであるが、CRDとBNNの接合をモデル化する前に、IOO評価モデルを使用する地域活動団体のメンバー間の外面的及び内面的関係性の拡大と成熟を可視化・構造化することが、BNN実装の前提であるとの研究課題が明らかになった。そこで、システムズ・エンジニアリングの手法の一つであり、システムの要素間の関係性を可視化・構造化するデザインストラクチャーマトリックス(DSM)、並びにシステム開発の成熟度を可視化する手法の一つである能力成熟度モデル(CMM)を適用し、地域活動団体の地域の人的ネットワークづくり及び価値連鎖の可視化及び定量的計測を実施するモデル(RADモデル)を開発した。RADモデルの構造化及び有効性検証に関する原著論文を地域活性学会のジャーナルに投稿して採録された。 現在は、RADモデルはIOO評価モデルとの接合を予定されており、そのためのパッケージ化が進められている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が初年度に予定していた、Sys-CRD-BNNモデルのアーキテクチャ設計及び構造化が「IOO評価モデル」として順調に進み、マルチステークホルダー型のIOO評価ワークショップが国内または海外5か所で実施されてその有効性が原著論文の形で学術的に公知となったため。また、同モデルが当初想定していた組み合わせでは、地域活動団体における関係性の可視化が不十分に終わる可能性が発見されたため、そのフォロー策として、地域活動団体内部の関係性をシステムズ・エンジニアリングの手法を用いて可視化する方法論も開発され、Sys-CRD-BNNモデルの有効性向上に寄与しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の成果に鑑み、今後は開発されたIOO評価モデル及びRADモデルを統合し、BNNモデルとの接合可能性を確認した上で、Sys-CRD-BNNモデルとして社会実装を行っていく。具体的には、モデルをパッケージ化して、国内を中心に5か所以上で統合モデルの有効性検証、並びに地域活性化及び地域における創業に関する政策プロトタイピングの作成を、本研究の研究協力団体等と連携し、進めていく。
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Causes of Carryover |
研究分担者のうち1名が転任により、当年度途中で研究分担者を辞退したため、辞退を受けて研究進行体制を再構築するるまでの1か月の間、社会的実証実験の実施の回数を減らすこととなったため。なお、現在は新たな研究進行体制の下、社会的実証実験の進捗を速やかに進めることととしており、着実な使用に支障はない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、28年度請求の助成金と合わせ、IOO評価モデルのパッケージ化及び政策プロトタイプの作成を、社会的実証実験のワークショップを全国5か所以上で展開しつつ、着実に使用していく。特に、28年度上半期に集中的に実証実験の実施を行っていく。
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