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2018 Fiscal Year Research-status Report

ドイツ・スイスの都市計画に関する住民投票後の合意形成プロセス

Research Project

Project/Area Number 15K11975
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

卯月 盛夫  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (30578472)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2020-03-31
Keywordsドイツ / スイス / 都市計画 / 公共事業 / 住民投票 / 投票率と得票率 / 住民参加 / 行政と住民の協働
Outline of Annual Research Achievements

4年目を迎えた研究実績として、「住民投票の結果」と「その後の行政の対応」に関して大きく7つの分類を設定し、これまで事例調査をした内容をわかりやすく整理することを試みた。まず、「住民投票の結果」として、A行政計画の否決、B行政計画の可決、C住民投票の非成立、の大きく3つに分類し、さらにAとBに関して、「行政の対応」を、1計画案の中止・凍結、2計画案の変更、3計画案の続行、の3つに分類し、最終的にA―1、A-2、A-3、B-1、B-2、B-3、Cと整理した。
この分類をふまえて、これまでのドイツの住民投票の調査事例を整理分析すると共に、最新事例であるベルリンのテーゲル空港跡地計画(2017年9月住民投票実施)、ハンブルクのエルブストランドヴェーク遊歩道計画(2017年9月住民投票実施)、リューベックのアンデアウンタートラーベ道路計画(2016年12月住民投票実施)の現場視察と行政担当者へのヒアリングを2018年度に行った。これら3つの新しい事例はすべて、住民投票としては成立し、行政計画としては否決されたが、その後の対応は、テーゲル空港跡地計画は A-3計画案の続行、ハンブルクの遊歩道計画とリューベックの道路計画はA-1計画案の中止と、判断が異なっている。この判断の違いは、住民投票で問われた内容の違いや各地域の政治的背景の違いによるものである。
そこで、この7つの分類とその各事例における行政対応の背景や理由を現場視察と担当者ヒアリングによって、さらに明らかにすることが重要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の研究計画では、4年間の研究調査によって2018年度に終了する予定であったが、最終的なまとめとして補足調査および重要なキーパースン調査が相手方とのヒアリング日程調整がうまく進まなかったため、1年間期間を延長し、2019年度を最終年度と変更した。キーパースンは、ドイツにおける住民投票研究の第一人者であるマールブルク大学元教授のProf. Dr. Theo Schiller氏である。彼は、住民投票のデータバンクを作成しているNPO法人「 Mehr Demokratie」の中心人物であるため、研究初年度2015年度に一度ヒアリングをしたが、本研究の最終成果に関しても再度意見交換をして、まとめに反映させたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

2019年度に関しては、上記にも書いたようにキーパースンのヒアリング調査が主であるが、可能であれば、住民投票とは異なる住民参加の方法としてドイツで開発された「Planungszelle(プラーヌングスツェレ)」(和訳:計画セル)に関して、本研究を補足するための調査をしたいと考えている。この手法は、ヴッペルタール大学元教授Peter Dienel氏が開発したもので、市民を無作為抽出で25人程度選び、あるテーマに関して4日間学習と議論を繰り返して、一般市民の意見を抽出、把握するものである。いわゆる市民参加のワークショップという手法は、どうしても関心の高い市民の意見に偏る傾向があり、また住民投票は政党の影響を大きく受ける傾向がある。それに対してプラーブングスツェレは、いわゆる一般の市民が中立的な情報による学習をふまえて、自由に議論判断できるというメリットがあると言われている。
したがって、可能であれば、 Nexus Institut(ベルリン)、Wuppertal Uni.(ヴッペルタール)、Gesellschaft fuer Buergergutachten(ミュンヘン)を訪ね、住民参加の手法としてのプラーヌングスツェレとワークッショップや住民投票の違いなどについてヒアリングと意見交換を行う予定である。

Causes of Carryover

最終年度として実施予定であった補足調査の一部とキーパースンヒアリングが、相手方との日程調整のため実施できなかったため、250,532円の次年度使用額が生じた。
次年度において、海外出張旅費として使用する予定であり、次年度使用額250,532円はすべて使い切る予定である。

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Published: 2019-12-27  

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