2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K11985
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
伊藤 大雄 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (50283487)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 定数時間アルゴリズム / 複雑ネットワーク / 超有限 / 分割神託 / ビッグデータ / 孤立クリーク / 計算複雑さ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では研究代表者の提案している「劣線形時間パラダイム」の実証のための理論研究を行っている。2015年度の主な成果は以下の通りである。 (I) 複雑ネットワーク上の定数時間アルゴリズム:複雑ネットワークに対し、孤立クリーク(伊藤らの提案した概念)の分布の冪乗法則とその階層構造があることを用いたモデルがShigezumiらによって2011年に提案されている。それに基づきHierarchical Scale Free (HSF) という多重グラフのクラスを提案した。そしてそのクラスが超有限 (Hyperfinite) であることを証明し、それを利用すればNewman & Sohlerらが2013年に提案したアルゴリズムと同様の考え方を適用することで、「クラスHSFに属する多重グラフにおいては、任意の性質が定数時間で検査可能である」ことを示した。本結果を使うことで、多くのビッググラフデータの性質が、そのサイズとは無関係な定数時間で(少なくとも理論上は)検査可能であることになり、ビッグデータ時代の多くの問題を解決する手がかりとなるアルゴリズムである。本結果は国際会議に投稿中である。 (II) 一般化将棋問題の定数時間アルゴリズム:将棋盤を√n×√nとし、王将以外の駒をO(n)個に増やした一般化将棋問題が定数時間検査であることを証明した。本結果は国際会議The 12th International Symposium on Operational Research and Its Applications (ISORA 2015), Aug. 21--24, 2015, Luoyang, Chinaにおける招待講演で講演し、特集号の電子ジャーナルIET digital libraryへ採録された。本結果はチェスや中国象棋など類似の問題にも拡張可能である。 (III) ケーキ分割問題を劣線形時間で解く枠組みを与え、その下でのアルゴリズムを提案した。本結果は国際会議The 8th International Conference on Fun with Algorithms (FUN 2016), June 8--10, 2016, La Maddalena, Italy に採録が決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複雑ネットワークのモデルHSFの提案とそれに対する万能定数時間アルゴリズムの提案を行うことができた。HSFは多くの複雑ネットワークが包含されるクラスと考えられ、その上のそんな性質でも定数時間で検査可能であるというこの定理は画期的なものであると考えている。この成果は極めて重要であり、1年目にしてこの成果は当初の計画を遥かに超えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずクラスHSFのさらなる拡張がある。現時点で階層性を孤立クリークで定義しているが、それを孤立擬クリークなどへ拡張したり、階層構造の自由度を高めたりなど、さらに広いクラスへの拡張を目指す。また、これらのクラスとウェブグラフなど実ネットワークとの関係を明らかにすることも重要である。また、一般化囲碁問題や一般化ボードゲーム、パズルの定数時間アルゴリズムなどの研究も行う。
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Causes of Carryover |
当初招聘する予定だった海外研究者が他の用務で来日したため、予算を支出する必要がなくなった。その予算は、今後の招聘あるいは当方が会いに行くなどの予算として活用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
招聘予算または国際会議出張などで使用する。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] A Much Faster Algorithm for Finding a Maximum Clique2016
Author(s)
Etsuji Tomita, Kohei Yoshida, Takuro Hatta, Atsuki Nagao, Hiro Ito and Mitsuo Wakatsuki
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Journal Title
Proceedings of the 10th International Frontiers of Algorithmics Workshop (FAW2016), LNCS, Springer
Volume: 9711
Pages: 215--226
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Single-Player and Two-Player Buttons & Scissors Games2016
Author(s)
Kyle Burke, Erik D. Demaine, Harrison Gregg, Robert A. Hearn, Adam Hesterberg, Michael Hoffman, Hiro Ito, Irina Kostitsyna, Jody Leonard, Maarten Loffler, Christiane Schmidt, Ryuhei Uehara, Yushi Uno and Aaron Williams
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Journal Title
roceedings of the 18th Japan Conference on Discrete and Computational Geometry and Graphs (JCDCG^2 2015), LNCS, Springer
Volume: 未定
Pages: 未定
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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