2016 Fiscal Year Research-status Report
組合せ最適化問題に対する乗算と浮動小数点演算を用いない高速大域最適化手法
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15K11990
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
森 耕平 神戸大学, システム情報学研究科, 助教 (70359868)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 01二次計画 / 大域最適化 / 組合せ最適化 / 数理計画 / 最適制御 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は，提案している手法の研究において当初の予定では後回しだった1.問題設定の一般化と抽象化の上で成立する性質，2.応用面とのつながりの話，を進捗の範囲でまとめ，それぞれ5月と9月に学会発表した．
1.は制約条件を[0,1]の区間から楕円の共通部分へと一般化するものであり，局所最適性条件を利用して大域最適解が存在しないことを保証し枝狩りに利用しようというものである．実用や定量的な評価には遠いが，01二次計画において成立した基本性質のいくつかが制約を楕円に一般化した場合にも成立することを示した．2.は主に制御入力のon/offの切替えのみによる最適制御で，どのような制約が提案手法の範囲で自然に表現できるかが中心である．なお，この2.の発表をまとめる過程において01二次計画に対する最適化手法が整理され，性能はさほど変わらないものの，研究期間の冒頭と比べて見通しの良いものとなっている．
元々の計画において優先順位の高かった01二次計画の高速大域最適化手法そのものに関する主な結果は，上記の通り見通しの良い形のアルゴリズムに整理できたことである．この過程において，アルゴリズムを複雑にせずに枝狩りの効率を大幅に上げる方法を思いつき，現在その理論的保証の確認をしている途中である．その他に，問題のインスタンスによる計算効率の変化を見るための予備実験や枝狩りを行う際に用いる下界の強化のために問題のインスタンスの特性を計算量O(n)の範囲で利用する手段の提案を行った．これらの部分は現段階では未発表である．また，同年度に発表した科研費の対象とは別の課題の論文において，本課題の内容が裏方として最重要ではない場所ながら部分的に用いられている．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「余裕があれば」「進捗が順調な場合」に行う予定だった内容(一般化や応用)は元々の予定と比べて進んでおり，元々の研究計画の優先事項は遅れている．
元々の優先事項が遅れている理由は，1.学生が行った過去の実験の一部の信頼性の担保に手間取った，2.元のアルゴリズムを大幅に高速化する方法を思いつき，元の方法のしっかりした数値的評価よりもそちらを優先した，3.他の研究(本課題と少しだけ関係する)の論文の査読過程の修正に手間取った，4.持病の悪化(日帰り手術込)のために一月強の間は教育業務と雑務でせいいっぱいだった，などである．
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| Strategy for Future Research Activity |
元々の優先事項だった01二次計画に対する高速大域最適化手法を，研究期間中に思いついた大幅に高速化する方法を組み込んだ上でまとめ，数値的評価を行い，公表する．これが最優先事項である．
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| Causes of Carryover |
使用実績と予定の乖離の主要な理由は，研究の進捗の遅れと計算機の購入を先送りにしたことである．とくに，交付された科研費の大部分が計算機の購入費用であるため，その先送りの影響が大きい．なお，計算機の購入を先送りにしたのは研究の進捗によるものだけによるのではなく，Ryzenプロセッサの発表の影響による価格の変化のタイミングを考慮したためでもある．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
近いうちに計算機を購入する．旅費も早いうちに概算を確定させるつもりである．
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