2015 Fiscal Year Research-status Report
タイミングウインドウ内の電荷供給量によるICの電流テスト法に関する研究
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15K12002
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
橋爪 正樹 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40164777)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電流テスト / IC / 断線 / 短絡 / 電荷量 |
Outline of Annual Research Achievements |
電源からICに流れる電源電流を測定しICを検査する検査法は「電流テスト法」と呼ばれている。IC内の回路に断線や短絡故障が発生すると,ICへの検査入力印加後に流れる電源電流値だけでなく,ある時間内(以後,「タイミングウインドウ」と呼ぶ)に電源から供給される電荷量に顕著な影響が現れる。本研究では従来の電流テスト法のように電源電流値を測定するのでなく,タイミングウインドウ内の電源からの電荷供給量による検査を可能とするIC内組み込み型検査回路を開発し,それを用いた検査法の開発とその検査能力を明らかにすることを目的としている。 平成27年度はタイミングウインドウ内の電荷供給量によるICの電気検査を可能にする電気検査回路を開発した。その電気検査回路は一定量の電荷を供給するコンデンサとそのコンデンサに充電した電荷を検査対象回路に供給する制御回路,ICの電源電圧監視を行うコンパレータと,コンデンサからの充電回数をカウントするカウンタ回路から構成した。 その検査回路を用いてIC内の断線故障を発見することができるか調査するため,信号遅延を生じる断線故障を挿入したインバータチェイン回路を検査対象回路とし、それに電気検査回路を追加した回路のレイアウト設計を行い,ICの試作を発注した。また回路シミュレーションによりその検査回路を用いてインバーターチェイン回路に挿入した断線が開発した検査回路により検出できるか調査し,検出できることを明らかにした。さらにその検査法のための検査入力生成法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発する検査法のための検査回路を内蔵したICの試作は完了しているが,まだそのICを用いてIC内に挿入した断線が発見できるか調査が完了していない。またベンチマーク回路を内蔵したICの検査に適する検査回路の設計が完了していないため,ICの試作発注が行えていない。しかしその遅れは予想範囲内であり,平成28年度内に最終の研究成果が得られると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は平成27年度に試作したICを用いて,検査回路の性能評価実験を行う。またベンチマーク回路を被検査回路とするICの試作を行い,シミュレーションだけでなく本検査法の検査能力(故障検出率,検査速度,検査入力数)を調査する。 さらに平成28年度は平成27年度に開発した本検査法のための検査入力生成法でベンチマーク回路に対して検査入力を生成し,その検査法を印加した時の本検査法の検査能力を調査する。
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Causes of Carryover |
当初の予定では設計したICの試作発注を計画していたが,検査回路設計が遅れ,試作申込み締切に間に合わなかったため,平成27年度内での試作発注が行えなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度にIC試作発注を行うため繰り越した研究費を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)