2017 Fiscal Year Annual Research Report
General-purpose high-level language with the notion of real numbers and time
Project/Area Number |
15K12010
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上田 和紀 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10257206)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プログラミング言語 / サイバーフィジカルシステム / ハイブリッドシステム / 制約プログラミング / 並行プログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
時間を含む連続量を的確に表現する汎用高水準プログラミング言語の確立に向けて,前年度に引き続き,言語を構成する基本概念の検討を行った。目標の言語が制約言語でありかつ並行言語であるという作業仮説のもと,今年度は動的な並行性の導入に範囲を拡げた検討を行った。2017年7月にはHalmstad大学で開催されたSummer School of Cyber-Physical Systemsにおいて,サイバーフィジカルシステムのための高水準言語についての集中講義と議論を各国からの代表的研究者と行った。2018年3月には再度同大学を訪問し,研究協力者Walid Taha教授のグループとの集中討議を行った。本年度の主な成果は以下のとおりである。 1. 目標言語のベースとなるHydLaの宣言的意味論の詳細化を行った。HydLaが採用した制約階層と極大無矛盾制約集合の考え方は有用だが,複数の極大無矛盾集合をもつ場合の挙動について,より強い仮定が必要であることを見出した。 2. HydLaとAcumenの宣言的意味論の設計の詳細な比較を行った。後者のデータ領域は前者よりも強い連続性の仮定をもつが,それがもたらす表現力は,HydLaでは言語レベルでの連続性の仮定で実現されていることが,Zeno挙動をもつモデルの分析を通じて判明した。 3. 構成要素が動的に増加するハイブリッドシステムの記述を可能にするための変数の動的生成機能と制約階層の動的生成機能について,構文と意味論の設計を行い試験実装を行った。 4. 構成要素が動的に消滅するハイブリッドシステムを適切に記述するための枠組の基礎検討を行った。プロセス計算において動的消滅が自然に記述できることに着目し,並行言語の枠組をハイブリッドシステムに適応させるために必要な概念の整理を進め,同期型言語のフェーズの考え方が大きく参考になるという知見を得た。
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