2016 Fiscal Year Research-status Report
移動体によるリアルタイムIoTの実現を可能にする自律再生ネットワーク
Project/Area Number |
15K12016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西山 大樹 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (90532169)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モバイルネットワーク / IoT / 無線通信 / 端末間通信 / 自律再生ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,人,車,ロボット等の移動体によってリアルタイムIoTを実現することを目的とする.リアルタイムIoTの実現には,情報の集約と制御命令の伝達に利用する通信用ネットワークが,IoTの要求条件を満足する程度に十分安定であることが必須である.しかし,移動体によって構成されるネットワークは非常に不安定であり,この条件を満たすことは非常に困難である.そこで,ネットワーク自身が自律的に不安定箇所を特定して瞬時に自己修復する自律再生ネットワーク技術をIoTに適用するための研究を実施する.これにより,IoTのリアルタイム動作特性を基本技術との比較で50%以上向上させることを目標とする.なお,本研究の成果は渋滞解消,避難誘導,マーケティング支援はもちろんのこと,新しいIoTの創出にも寄与すると期待される. 本年度は平成27年度で確立した基礎制御方式をシステムとして最適化するために必要となる技術についての研究を実施しており,その中で実施した基礎的な検討では,排除されていたデバイスの物理的特性や周辺環境を考慮することで,より実現性の高い理論や制御方式の基礎を確立した. また,本年度は高知県高知市にて実験を行い,検討した理論が実環境でどういった影響を及ぼすかを実際に確認した.実地での実験を行うことで,システム全体に与える影響を検討し,より実現性の高い理論や制御方式を検討していくための基礎検討とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,当初の計画通り,平成27年度で確立した基礎制御方式をシステムとして最適化するために必要となる技術について検討を実施した.次年度の研究計画も順調に検討が進んでおり,本研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は平成28年度に確立した基礎制御方式について,実際にシステムとして動作させるための最適化を行う.これは,提案技術の実効性を明らかにする意味も含んでおり,既存の通信方式への導入が可能な部分と,将来的な研究課題としてさらなる検討が必要な部分についての切り分けを行う.このため,現在主流の通信方式を搭載したデバイスを用いた実験により,制御方式を構成する各機能コンポーネントの要求性能の妥当性などについて検証を行う.研究代表者の所属機関では,実際のデバイスを用いた実証実験を多数行っており,実環境での実験に関するノウハウが利用可能である. また,実証実験で得られたデータや最適化を行った制御方式に関して各種学会等での研究成果の発表や,論文誌への投稿を積極的に行う.
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Causes of Carryover |
本年度の検討の結果,研究成果をより世界における影響力の高い国際学会,学術論文誌への投稿を検討しているため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議,学術論文誌への投稿のための費用に使用予定.
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