2015 Fiscal Year Research-status Report
確率的位置情報を用いる新しい位置情報システムのためのプラットフォームの構築
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15K12020
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐伯 幸郎 神戸大学, システム情報科学研究科, 助教 (40549408)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 確率的位置情報 / すれちがい / フレームワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
確率的位置情報実現のため,今年度は主にA.位置情報を表現する統一的データ構造の検討 B.位置情報格納のためのフレームワークの検討を行った.具体的な検討内容として,まず,確率的位置情報を実現する上で重要な要素である相対位置系をすれちがいという事象で表現することを検討している.そのため,すれちがいの厳密な定義,すれちがいの性質:(1)対称性 (2)推移性 (3)時空間情報の利用 (4)時空間情報の推論,4つについて提案をしている.この結果,すれちがいの定義のなかで,絶対位置系と相対位置系のシームレスな取り扱いについて一つの可能性を示すことが出来ている.また,位置情報としてすれちがいを扱う際に,when, where, who, whom, what, howという観点で構成されたデータモデル,標準すれちがいデータを構成することで,相対位置系を実現する様々な測位技術について,技術に依らない位置情報の表現が可能になったと言える.これらの検討と並行し,検討内容Bである,相対位置情報を実際に扱うアプリケーションプラットフォームとして,すれちがい検出技術に依らない汎用的なすれちがいフレームワークを構築した.すれちがいフレームワークは,さまざまな相対位置系を扱うため,すれちがいデータベース,名前解決機構,すれちがい解析機構などから構成され,それぞれのコンポーネントはREST APIで結合されている.これらを利用することでアプリケーションからシームレスにすれちがいを利用することが可能になる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通り,確率的位置情報を実現するための位置情報を表現するデータ構造の検討と,そのデータ構造をアプリケーションから利用するためのフレームワークについての検討および実装が進んでおり,おおむね順調に進展していると言える.これまでの研究成果として,電子情報通信学会LOIS研究会,およびインターネットアーキテクチャ研究会において発表を行っている.また,国際会議APSITT2015においての成果報告を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる平成28年度はA.確率的位置情報への変換数理モデルの検討,B.相対位置情報から確率的位置情報への変換手法の検討を行う.平成27年度において検討された統一的データ構造へ,既存の位置情報システムのデータを投入する際に必要となる変換作業について,位置情報システムごとに適切な変換を行う数理モデルを構築する.確率的位置情報への変換を行う数理モデルは,本研究において最重要な課題となる.検討モデルの検証として,検討した数理モデルの妥当性について実際の位置情報システムのデータを元に,位置情報を存在確率で正しく表現できているか検証を行う.さらに,相対位置を座標系として表現するシステムについて,どのような系を構成しているものが存在するか調査を行う.M2Mで構成されるセンサ系が本調査の対象として考えられるため,センサネットワークなどの研究を行っている研究協力者に調査の補助を依頼する.同時に,相対位置情報のみを持つ位置情報システムと絶対位置情報を持つ位置情報システムを組み合わせる相対位置情報収集システムを構築する.本システムでは相対位置情報は相互に転送され,最終的に通信手段を持つ絶対位置情報システムへと到達することを期待することで,DTN (delay/disruption-tolerant networking)で構成される情報転送を実現する.
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Causes of Carryover |
本年度想定していた実験協力者に必要となる人件費が,不要であったため差額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画に対し,前年度行われなかった実験協力者によるフィールド実験を追加で行う.
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[Presentation] Formulating Device-Independent Pass-By Rendezvous2015
Author(s)
Arisa Hayashi, Sachio Saiki, Seiki Tokunaga, Shinsuke Matsumoto, and Masahide Nakamura
Organizer
Asia-Pacific Symposium on Information and Telecommunication Technologies
Place of Presentation
Colombo, Sri Lanka
Year and Date
2015-08-04 – 2015-08-07
Int'l Joint Research