2016 Fiscal Year Research-status Report
確率的位置情報を用いる新しい位置情報システムのためのプラットフォームの構築
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15K12020
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐伯 幸郎 神戸大学, 先端融合研究環, 特命助教 (40549408)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 確率的位置情報 / すれちがい |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目となる平成28年度はA.確率的位置情報への変換数理モデルの検討,B.相対位置情報から確率的位置情報への変換手法の検討を行った.平成27年度において検討した統一的データ構造へ,既存の位置情報システムのデータを投入する際に必要となる変換作業について,位置情報システムごとに適切な変換を行う必要がある数理モデルの構築を目指し,まず単純なモデルとしてGPSによって取得できる緯度・経度で表現される位置座標系と,無線機器により検出可能な近接情報をターゲットとした算出手法について検討した.確率的位置情報への変換を行う数理モデルは,本研究において最重要な課題である.検討モデルの検証として,検討した数理モデルの妥当性について実際の位置情報システムのデータを元に,位置情報を存在確率で正しく表現できているか検証を行った.さらに,相対位置を座標系として表現するシステムについて,どのような系を構成しているものが存在するか調査を行った.M2Mで構成されるセンサ系が本調査の対象として考えられるため,センサネットワークなどの研究を行っている研究協力者に調査の補助を依頼した.同時に,相対位置情報のみを持つ位置情報システムと絶対位置情報を持つ位置情報システムを組み合わせる相対位置情報収集システムの構築に着手した.本システムでは相対位置情報は相互に転送され,最終的に通信手段を持つ絶対位置情報システムへと到達することを期待することで,DTN (delay/disruption-tolerant networking)で構成される情報転送の実現となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通り,これまでに検討した確率的位置情報を実現するための位置情報を表現するデータ構造の検討と,そのデータ構造をアプリケーションから利用するためのフレームワークについて実装が進んでおり,実際のデータを利用した検証が行えるなど,おおむね順調に進展していると言える.これまでの研究成果として,電子情報通信学会LOIS研究会,およびインターネットアーキテクチャ研究会において発表を行っている.また,国際会議ICIS2016においての成果報告を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では,これまでの成果を元に実際に利用できるプロトタイプシステムの構築を行い,被験者実験を通じた有効性の評価を行う.まず,絶対位置座標系のみでの確率的位置情報システムを作成し,完成後に相対位置情報取集システムを組み込むことで,最終的なシステムを構築する.プロトタイプシステム完成後,被験者の協力の下位置情報システムとして利用してもらい,大規模なデータを収集すると同時に,実際の行動についても各自に記録してもらうことで,位置情報システムの妥当性,精度などの評価を行う.
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Causes of Carryover |
本年度想定していた実験用物品について,他研究で準備した物品を流用することができたため,差額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画に対し,被験者の数を増やした実験を行う.また,それに合わせ実験機器を追加で購入する.
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