2016 Fiscal Year Research-status Report
言語芸術と視覚芸術における美の認知計算モデルの提案
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15K12045
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
内海 彰 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30251664)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 美的判断 / ベクトル空間モデル / 意味空間 / メタファー / 言語芸術 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 言語情報と画像情報を両方を用いて単語のマルチモーダル意味空間を生成する新たな手法を提案した.提案手法では,従来のマルチモーダル意味空間で問題となっていた抽象語の扱いについて,抽象語は言語情報を介して間接的に実世界に接地するという身体性認知の最新理論を援用して,抽象語の意味ベクトルを構築する際に意味的に関係する具象語の画像情報を用いている.この提案手法の認知的妥当性を評価するとともに,言語芸術の一技法であるメタファーの理解モデルへの応用を検討した. (2) 意味空間モデルを用いて,文脈を考慮してメタファーを生成する新たな手法を提案して,その性能を評価した.一部の事例に対しては,小説に実際に用いられている表現と同等のメタファーを生成することが可能になった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
言語芸術の一技法としてのメタファー(比喩)に関する新たな生成・理解手法を提案できた点で一定の成果を得ているが,視覚芸術については十分な解析ができないままで終わっている.
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Strategy for Future Research Activity |
メタファーを中心とした言語芸術へのベクトル空間モデルの適用にとどまらず,実際の小説や詩を対象としたモデルの構築や評価に取り組む予定である.視覚芸術についてはすでに昨年度に得られているデータの再解析やモデル化を進めていきたい.
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Causes of Carryover |
当初予定していた計算用サーバの購入が他予算によって購入することができたため差額が生じるとともに,旅費としての使用も当初の予定より少なかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
意味空間の生成のために必要なコーパスの希望が年々増加しているため,日本語・英語コーパス購入を新たに検討するとともに,必要に応じて計算用サーバを増設することを考える.
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Research Products
(3 results)