2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Motor Coordination and Dexterity in Drumming
Project/Area Number |
15K12053
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
古山 宣洋 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20333544)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ドラム / 演奏 / 身体協応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主要な成果を記す。
研究1:課題冒頭にメトロノームで指定した一定のテンポで拍叩きをする課題を行った。ただし、テンポは先行研究よりも遥かに遅い120bpm, 160bpmなどであった。打叩時の圧力データ, 表面筋電データ(前腕の屈曲―伸展筋2セット), 手首関節データを収集し, 検討した。実験1・2を通して, 熟練者では, 未経験者に比べて, ITI・打叩強度のSDが有意に小さかった。RDS(相対差分信号)のヒストグラムでは先行研究で提示された熟練者の例と同様のものや, それ以外に平坦なものが散見された。未経験者は, やや伸筋優勢の正規分布であった。これらの結果から、熟練者が手首拮抗筋の同時収縮が起こらないから正確な打ができるとの先行研究の説明には限界があることを示した。
研究2:両手足を用いた 8 ビート課題を実験課題とした。演奏時の打圧データ(HH, SN, BD)、床反力データ(CoP データ)、身体変位データ(3次元動作解析)を計測した。ドラム熟練者は、演奏のばらつきを評価する指標(ITIのSD、ピークタップ力の CV)が有意に小さいことが示された。とりわけバスドラムでは、その傾向が顕著に表れた。さらに、バスドラムのピークタップ力の平均値は、ドラム熟練者の方が有意に大きかった。以上から、ドラム熟練者のバスドラムのタップ力は、出力 が大きい上に、正確であることが明らかとなった。一方、CoP軌跡長は、60、120bpm で、熟練者の方が有意に大きくなった。CoP 面積は、熟練者の方が有意に大きかった。半小節当たりの Circular SD では、熟練者の方が有意に小さかった。すなわち、運動方向のばらつきが、ドラム熟練者の方が小さいことが示された。これらのことから、熟練者は全身を安定的に使って課題を遂行しているのに対し、初心者では姿勢制御が不安定であることが示された。
|
Research Products
(3 results)