2015 Fiscal Year Research-status Report
法医学・法歯学における個人識別を支援する生体画像照合技術の開拓
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15K12057
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 孝文 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80241529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 康一 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (70400299)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 画像,文章,音声等認識 / ディジタル信号処理 / 画像照合 / 位相限定相関法 / バイオメトリクス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,以下の3項目に関する研究開発を実施した. (i) 歯科X線画像(口内法撮影およびパノラマ撮影)の高精度自動照合技術に関して,現在までに開発した歯科X線画像照合アルゴリズムの大幅な精度向上を検討した.正確に歯科X線画像を照合するためには,高度な歪み補正技術が必須である.X線照射各やセンサ位置の違いなどにより,同一人物の同一部位を撮影したとしても,画像間に非線形な歪みが生じてしまう.この問題を解決するために,位相限定相関法に基づくサブピクセル対応点探索アルゴリズムを用いて2枚の画像を高精度に対応付け,高度な非線形変形モデルに当てはめることで,画像間の歪みを補正することを検討した.基礎的な実験を通して,提案手法の有効性を確認した. (ii) CT,MRI等の医用ボリュームデータの高精度自動照合技術に関して,3次元拡張された位相限定相関法による人対抗組織等のボリュームデータの照合について検討した.ボリュームのマッチングに時間のかかる最適化に基づいた手法を用いることが多いが,3次元位相限定相関法は,最適化を用いることなく,ロバストかつサブボクセル精度でボリュームを対応付けることが可能である.そこで,対応付け結果や局所ブロックの相関値などをパラメータとしてボリューム巻の類似度を定義し,識別性能の優れた自動照合アルゴリズムを検討した. (iii) 歯科所見と画像データの複合データベースから個人検索を行うシステムについて検討した.歯科医療機関の診療情報をディジタル形式でバックアップするための表銃データ形式を検討するとともに,歯科所見から個人を検索するためのシステム Dental Finder2 を試作した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,当初の予定通り,(i) 歯科X線画像の高精度自動照合技術で必要となる画像の歪み補正手法について,(ii) CT,MRI等の医用ボリュームデータの高精度自動照合技術で必要となるボリュームレジストレーション手法について,(iii) 歯科所見と画像データの複合データベースからの個人検索で必要となる検索システムについて検討した.以上より,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年度の研究成果に基づいて,(i) 歯科X線画像の自動照合技術の高速化,(ii) ボリュームデータの自動照合技術の高速化,(iii) 歯科所見と画像データの複合データベースからの個人検索に(i)と(ii)で検討した技術を統合することを検討する予定である.
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通りに使用していたが,計算機消耗品の一部を流用したため,6万円ほど繰り越すことになった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越した分については,計算機消耗品(データバックアップ用ハードディスクなど)を購入する予定である.
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