2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15K12074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠田 裕之 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (40226147)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒューマンインタフェース / ワイヤレス電力伝送 / インタラクション / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
空気中を伝搬する収束超音波によって給電を行うという新しい空間伝送型給電システムを開発し、その有用性を示す実証実験を行った。電磁的結合を用いたワイヤレス電力伝送では、人体防護の観点から空間中に形成する電磁エネルギー密度を高めることができず、小型のデバイスに伝送可能な電力はごくわずかである。本研究では空中超音波のフェーズドアレイによって、1cm直径程度の小型の受電素子に 0.1W 以上の電力を供給できることを実証した。 実験では 38cm × 30cm の40kHz フェーズドアレイを用いて収束ビームを形成し、単一の超音波振動子に給電する実験を行った。その結果、例えばフェーズドアレイの表面から20cm離れた平面上、20cm×20cmの領域においては、受電素子がフェーズドアレイの方向に向いている条件下で 0.15W以上0.65Wまでの給電が可能であることが実証された。次に受電素子の位置を自動検出しながらフォーカシングを行う給電システムを試作し、運動する給電対象に対しても給電が可能であることを実証した。 以上、基礎的なデータは本研究期間中に取得し、設計指針は確立することが出来たが、生活空間の中で安定なサブワット給電を行う実用システムを実現するまでには至らなかった。その実現のためには、さらにフェーズドアレイを大型化し、フェーズドアレイと受電素子の間の遮蔽の問題を解決しなければならない。この問題については本研究とは異なる目的で、低コスト・大面積超音波フェーズドアレイの技術開発が進んでおり、将来的には克服可能であると考えている。なお以上の一連の研究は国内学会において発表され、優秀講演賞が授与されている。
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[Presentation] 空中超音波による無線給電とその応用2015
Author(s)
馬 少翔, 吉本 東天, 井上 碩, 長谷川 圭介, 牧野 泰才, 篠田 裕之
Organizer
第16回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
Place of Presentation
名古屋国際会議場 (愛知県名古屋市熱田区)
Year and Date
2015-12-14 – 2015-12-16