2015 Fiscal Year Research-status Report
自己接触感を利用したデバイスレス視触力覚システムの研究
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15K12075
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 通孝 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (40156716)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自己接触感 / Pseudo-haptics / 触力覚提示 / 手形状変形 / 深部感覚 / 拡張現実感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,視触覚間相互作用により深部感覚を操作し,バーチャル物体との接触感の提示に自己の身体同士の接触を用いることで,外部的な触力覚提示装置を全く用いず,物体を掴み,操作している感覚を提示する手法の実証と適用限界の検証にある.従来より申請者らは Pseudo-haptics の原理を活用し,物体に触れる手の姿勢を変調し視覚提示することで,実際に触っている物とは異なる形状の物体を知覚させられる事を確かめてきた.しかし,本手法でも接触感を提示するためには簡単であるにせよ実際に触る物体が必要であり,何らかの物理的存在が不可欠であった.本研究はこれを拡張し,何も持たない状況でも指同士の接触をバーチャル物体との接触のように提示できる手法を実現し,その適用限界(提示物体の形状・大きさ等)を明らかにする. 本年度は(1)自己接触感を用いた触覚提示のための視覚フィードバック生成アルゴリズム確立として,触力覚提示装置を全く用いずとも,指同士の接触をバーチャル物体との接触であるかのように知覚させる視覚フィードバックを生成する基本アルゴリズムを構築し,その効果を定量的に評価した.提案アルゴリズムでは,二指での掴み動作に関して,手指の姿勢を,リアルタイムに適切に変形させ,指同士が接触した瞬間と視覚提示映像内でバーチャル物体と接触した瞬間を同期させることで,自己接触感をバーチャル物体との接触とすり替 えて知覚させる.被験者実験を通じて,本手法で物体との接触感を提示可能であることを確認し,提案手法の実現可能性と有用性を示した.他方,物体を操作するような場合には指先どうしの摩擦感から物体を把持しているという感覚が弱まってしまうことが示唆され,指先にゴムキャップ等を装着すると物体把持感・操作感が向上することが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎となるアルゴリズムを構築し,提案手法の実現可能性を検証することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに順調な成果が得られているため,引き続き現在の体制で研究を進める.基本アルゴリズムを拡張し,多指や両手を用いたより複雑な把持方法に対応可能なアルゴリズムの開発を目指す.
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Causes of Carryover |
基本アルゴリズムの構築および基礎評価がスムーズに進み,想定以上の成果が得られたため,発展的なアルゴリズムの開発に取り組むこととし,本来基礎評価でおこなう予定としていた多様な計測を発展的なアルゴリズムの評価においておこなうようにしたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度得られた成果を基に発展的なアルゴリズムを構築するとともに,タスク評価や生理計測などの多様な指標を用いて,被験者実験によって効果を定量評価する.システム改良,計測に必要な機材のための物品費,実験に必要な謝金等に次年度使用額を充てる計画である.
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Research Products
(12 results)