2016 Fiscal Year Research-status Report
触覚入力に誘発される不随意頭部回旋の機序解明と運動性疾患への適用
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15K12079
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
梶本 裕之 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (80361541)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒューマンインタフェース / インタラクション / マルチモーダルインタフェース / 運動感覚 / 運動性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はハンガー反射の実応用に関する研究を行った.従来知られていたハンガー反射は頭部の回旋を伴うものであったが,我々はハンガー反射が腰部,足首部,手首部など身体の広範囲で発生する一般的な現象であることを発見していた. まず行動誘導の第一の応用先として,歩行に対してハンガー反射がどのように影響をおよぼすのか,昨年度に引き続いて詳細に調べた.この結果,腰のハンガー反射の「ツボ」に該当する部位(これは皮膚変形を大きく発生させる部位である)を圧迫することによって大きく歩行を誘導できることを確認した.さらにこれを動的に制御するために空気圧バルーンを用いた制御装置を開発した.この結果,ユーザの歩行を精細に制御できることが判明した.これをバーチャルリアリティ環境下でもちいる予備的な検討の結果,ユーザは左右に回旋する方向に誘導されている事自体には気づくものの,強制的な感覚を与えることなく歩行を制御することが可能であることが判明した. また手首部に対するハンガー反射についても応用展開を行った.手首の皮膚を牽引するウエアラブルな装置を開発し,回旋力を制御できること,また同装置が振動を含めた広範な触覚を提示できることをあわせて検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では本年度はハンガー反射装置の小型軽量化を行い,今後の応用に備えることとなっていた.空気圧で駆動されるバルーンによってこの目的は達成された.結果として当初計画は遂行されたと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定では,最終年度は運動障害への適用を含めた応用事例を開拓し,今後の定常的な研究につなげるという方針であった.ハンガー反射の腰への適用に関しては現在までにすでに,ハンガー反射デバイスをバーチャルリアリティ環境における歩行制御に用いるという,応用の端緒は掴んでおり,今後GPS等と連動したナビゲーション等応用展開を行う.また手首に対するハンガー反射に関しても医療応用を中心とした検討を行う予定である.
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Research Products
(9 results)