2015 Fiscal Year Research-status Report
部分重畳表示型ビデオチャットの新しいインタラクションの実現
Project/Area Number |
15K12085
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
吉野 孝 和歌山大学, システム工学部, 教授 (90274860)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ビデオチャット / 遠隔地間コミュニケーション / 距離感 / 侵入感 / 被侵入感 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,Skype などの無料でビデオチャットを行えるツールの普及により,容易にビデオチャットを行える環境が整ってきた.そのため,今後は会議などのフォーマルな場面での利用だけでなく,ビデオチャットは,家族や友人とのインフォーマルなコミュニケーションでの利用が増えてくると考えられる.しかし,従来のビデオチャットには,対面環境に比べて対話相手との距離感を感じてしまう問題点がある.本研究では,この問題点を改善するため,部分重畳型ビデオチャットシステム「ドアコムZ」の開発を行った.ドアコムZは,現実に存在する枠を介して遠隔地間を仮想的につなぎ,相手の空間と繋がっているような表示を行うビデオチャットシステムである.深度情報を用いることで,遠隔空間における三次元的な移動を表現した.遠隔空間内における三次元的な移動の実現により,「遠隔空間内に隠れる」「遠隔空間内を指差す」という表現が可能になった.遠隔空間における三次元的な移動の表現の有用性を示すために,侵入感の検証および被侵入感の検証を行った.検証実験より,三次元的な移動の表現は,二次元的な移動の表現に比べ,侵入感を向上させることがわかった.また,両手法ともに被侵入感が得られ,表現による大きな違いはないことがわかった.表現方法に関係なく,自身の空間にある物を指差される映像は,被侵入感を与えることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた,三次元的移動が可能な遠隔コミュニケーションの実現とインタラクションへの効果を実現できたため.現時点の成果をまとめ,論文誌への投稿および国際会議への発表の準備をしており,当初の計画通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに,プロトタイプの構築および実験を行った.コミュニケーションへの効果の検証など,様々な条件におけるコミュニケーションの効果について確認を行う. また,遠隔地のものに対するインタラクション手法を新しく考案し,その実現に向けて進めており,今後,実装を進め,提案手法の評価を行う.また,より,実用的なタスクを考え,提案手法の効果を明確に示す.
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