2016 Fiscal Year Annual Research Report
Foundation of Synthetic Evidential Study
Project/Area Number |
15K12098
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西田 豊明 京都大学, 情報学研究科, 教授 (70135531)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヒューマンエージェントインタラクション / 会話情報学 / 構成的考証法 |
Outline of Annual Research Achievements |
参加者の視点に依存したコミュニケーションシーンのとらえ方の違いに着目した.ショッピングシーンを題材とした参加者実験を行い,参加者と同一の文化背景に基づく接客をする店員の担当する窓口と,参加者と異なる文化背景に基づく接客をする店員の担当する窓口を設けて,アバターとして参加する参加者の行動観察と事後の質問紙調査を行った.複数台の端末から仮想空間内に同時並行参加できる手軽な実験用環境を構築して,二つの窓口でアイテム販売を行う仮想的なショップを生成し,文化的背景の違いを対照できるようにした.インタラクション以外で文化的背景の影響が生じないよう,ミニマルデザインの手法を用いて容姿に非依存の合成キャラクタを制作した.参加者実験において,窓口の順番待ちで,列並びを日本文化と,店員の視線を中心とする非言語的なコミュニケーションを基本とするタイ文化の行動様式の差が,第一人称視点からの観察でより明確に把握できることを示唆する観察結果が得られた.また,いずれの文化圏も割り込みを許さない公正な店員の選好が高いことが判明した.第三人称視点のほうがより大きな気づきをもたらすことも分かった.この研究をさらに発展させるための基盤として,インタラクションデータからのマイニングパッケージの整備,参加者に共有基盤がどの程度構築されたかを推定する認知科学的手法の研究,参加者とエージェントに共有基盤を確立させるための意図推定に基づくインタラクション手法の研究,仮想空間のカメラワークの生成支援システムと仮想シーンの構成とインタラクション生成を支援するシステムの試作も行った. 以上で得られた知見に基づいて,構成的考証法を用いたコミュニケーション基盤構築手法を取りまとめ,研究提案を行った.
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