2015 Fiscal Year Research-status Report
大規模なネットワーク分析のための協力ゲーム理論の構築
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15K12101
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
櫻井 祐子 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (10396137)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マルチエージェントシステム / 協力ゲーム / 提携構造形成問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
効率的な提携を形成することは,人工知能やマルチエージェントシステムの研究領域において,重要な研究分野となっている.協力ゲーム理論は,利己的に行動するエージェント間で提携を形成することのできる場合のエージェントの振る舞いに関する理論である.従来の協力ゲームの研究では,提携の得る利得は特性関数と呼ばれるブラックボックスの関数により与えられることを仮定していた.そのため,エージェント数に対して指数オーダでの表記量が必要となり,ゲームを簡潔に記述する研究は必要不可欠となっている.特に,本年度は提携間に外部性が生じる場合を対象とした簡潔な記述法を提案するとともに,この記述法を用いてシャプレイ値と呼ばれる利得の配分方法の計算に関する研究を行うとともに,効率的に最適な提携を求めるアルゴリズムの初期検討を行うことで基本アルゴリズムの提案を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に検討を予定していた,提携間(チーム間)に外部性が生じる場合を対象にした研究を予定通り進めることができた.利得の配分方法に関する研究については人工知能関連の難関国際会議であるIJCAIに採択され,一定の研究成果を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方針として,大規模なソーシャルネットワーク解析に有用な基盤技術となるべく,高速な提携構造形成アルゴリズムの開発を行う.さらに,エージェントが提携構造決定後に何らかの理由により提携に参加できない可能性がある.そのような不確実な状況も対応可能なレリジエントな提携構造形成アルゴリズムの開発を行う.
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Causes of Carryover |
旅費に関しては,予定していた国際会議参加が現地(トルコ)の政情不安により,参加を見送ったことにより次年度使用額が生じた.また,物品に関しては,計算機サーバの購入を予定していたが,大規模なネットワークを対象可能な提携構造形成アルゴリズムの高速化が計画よりも遅れたため,次年度での購入となった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費に関しては別の国際会議への参加等による支出,物品に関しては計算機サーバの購入によって使用する予定である.
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Research Products
(2 results)