2015 Fiscal Year Research-status Report
多次元ファジィオノマトペ表現を利用した身体知の共有
Project/Area Number |
15K12106
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 剛士 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90303693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 順二 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (00281030)
松原 茂樹 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (20303589)
加納 政芳 中京大学, 工学部, 教授 (90387621)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オノマトペ |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツや楽器演奏等のスキルは,身体知と呼ばれる暗黙知の1つであり,一般には熟練者の持つカンやコツと呼ばれる.身体知を他者と適切に共有出来るならば,熟練者のみが持つカンやコツを広く一般に広めることが出来,その貴重な技能の習得や指導に役立つ.本研究の目的は,身体知を他者と共有する方法の実現である.本研究では,熟練者の身体動作特徴量をオノマトペで表現し,初級者がオノマトペを通してその技能を直感的かつ容易に理解・習得することの促進または支援をするシステムの提案と開発を行う.提案システムは,オノマトペの定量化に多次元ファジィを導入し,初級者に最適なオノマトペを出力する.本研究成果は,身体知共有の基礎的な知見を提供し,近い将来,様々な分野の身体スキル言語化と共有に貢献すると考えられる. 平成27年度については,オノマトペと身体動作特徴量(筆記特著量)の間の関係性について調査を行い,その結果に基づいて両者の対応データベースを試作した.DBの試作にあたっては,先行研究の調査結果に加え日本語オノマトペ辞典から,筆記に係わると考えられるオノマトペを抽出し,関係性を調査した. また,試作したDBを用いた応用例として,オノマトペを用いた毛筆フォントデザインを試みた.さらに,Adobe Illustratorにおけるブラシデザインについても応用し,プラグラインの試作とその評価実験を行った.フォントデザインとブラシデザインについては試作段階ながら,ユーザが直感的かつ簡便に使用できる仕様となっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度の研究項目としては,A.オノマトペ・身体動作特徴量(筆記特徴量)の検討,B.多次元ファジィオノマトペ表現の演算方法の開発,C.硬筆書道学習支援システムの設計・開発を行った.このうち,Aについては順調に調査し,それを応用したアプリケーションの試作が至っている.B.については,論理演算については実装しているが,推論については未実装である.C.については,B.の実装の遅れから完成には至っていないが,毛筆フォントデザインのアプリケーションと同様のシステムで実装できると考えており,インタフェースと推論部分以外はほぼ完成したものと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,推論部分とインタフェースの構築を第一に進める.その後,現状で試作段階である「オノマトペと筆記特徴量の対応DB」の構築をさらに進め,そのDBを用いた硬筆書道学習支援システムの実験・評価に移る.実験・評価の結果をインタフェースや推論アルゴリズム開発にフィードバックし,実用に耐えうる改善をする.
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