2016 Fiscal Year Annual Research Report
Application for brain computing using pulse generation device with negative differential resistance made by carbon nanotube network
Project/Area Number |
15K12109
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 啓文 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (90373191)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ポリオキソメタレート / カーボンナノチューブ / パルス発生デバイス / ランダムネットワーク / ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
脳型情報処理技術はニューラルネットワーク(NN)の発展により進歩を遂げている。近年注目を浴びている深層学習では、入力層にノイズを導入したデノイジングオートエンコーダ(DAE)や確率的ニューロンを導入した制限付きボルツマンマシン(RBM)など、ノイズを積極的に利用したNNが用いられる。DAEやRBMを実チップで直接実行する脳型回路を考える上で、ノイズ発生デバイスは必要不可欠である。これまで論理回路による疑似乱数回路やアナログカオス素子などが利用されていたが、簡便に作製でき精密にノイズを発生させることが可能なデバイスが実現出来れば、飛躍的な低消費電力化や高集積化が可能となる。また、学習プロセスにより得られた荷重値を記憶する記憶素子が必要である。現状それには電荷、抵抗メモリなどが使われているが、情報量を増加させるためにパルス間隔メモリが求められている。よってパルスを希望通りに発生するデバイスの作製が必要であり、同様にカーボンナノチューブ(CNT)ランダムネットワーク(RN)を用い、最適条件を探索した。申請者は従前、負性抵抗性分子ナノ粒子やCNTを用い、RN構造からノイズ発生・制御に成功しているが、酸化還元反応(Redox)を用いるために、全ての物質が酸化側、還元側に寄ってしまうとデバイスの動作が終了するという欠点も存在した。本研究では、さらに材料系や作製条件を検討し、永続的に動作する素子を作製し、かつ脳型プロセシングに適応を以下のように行った。1.CNTとソフトマテリアルナノ粒子とのRNを作製し、脳型情報処理に必要なノイズ・パルス発生デバイスを実現した。2.そのために必要な多様なRedox性を有する材料のナノ粒子の電気特性を明らかにした。また、シミュレータによる解析を行った。3.パルス発生の様子をリターンマップ解析し、脳型情報処理システムへの応用を模索した。
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Research Products
(8 results)