2015 Fiscal Year Research-status Report
深層学習ハードウェアのためのカオスボルツマンマシンの集積回路実装
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15K12110
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
森江 隆 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 教授 (20294530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 秀幸 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (60334257)
田向 権 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (90432955)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソフトコンピューティング / ニューラルネットワーク / 電子デバイス・機器 / 集積回路 / カオスボルツマンマシン |
Outline of Annual Research Achievements |
1.カオスボルツマンマシン(CBM)の理論的検討 CBMをソフトウェア実装またはディジタル回路実装する場合,ダイナミクスを表す微分方程式を前進オイラー法で離散化する方法が最も簡単で実装しやすいが,演算精度が低い場合は正確な状態更新を実現できず,モデルの正常動作が実現できないという問題が生じる.一方で,CBMのニューロン動作は外部からの入力がない場合は線形に状態が更新されていくので,出力が反転する時点を計算で予測することができ,この方法では正確な状態更新が実現できる.両方の方式を比較し,前進オイラー法でも整数部・小数部各8ビットの固定小数点演算であれば,CBMとしての状態更新を行えることを確認した.また,回路実装における素子特性のばらつきやノイズ,オフセットの影響を数値シミュレーションで調べ,性能が劣化する条件を明らかにした.
2.CBMの集積回路実装の検討 上記の固定小数点演算によりCBMをディジタル回路実装し,3ニューロンの最大カット問題について正常動作することを確認した. 一方,アナログ回路実装での大きな課題である非線形関数(exp関数)の実現法として,同関数を時間波形として表現する電圧を与えて,それをPWM信号により時間領域でサンプリングする回路構成と,MOSトランジスタのsubthreshold領域での指数関数特性を利用する回路構成の2方法を考案・設計し,それぞれ回路シミュレーションで動作を確認した.ただし,前者は非線形電圧波形を全ニューロン回路で共有するため同期動作になることから,効率が悪いという欠点がある.他方,後者はMOSトランジスタのしきい値ばらつきの影響を受けやすいという問題がある.これは今後,実際に集積回路を設計・試作して評価することとする.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カオスボルツマンマシンを実現する集積回路の設計が完了したため.
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Strategy for Future Research Activity |
設計した集積回路を試作し,試作チップを用いて基本動作を確認し,性能を評価する.
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Causes of Carryover |
平成28年度に集積回路チップ試作として,1,568,700円の試作費を計上したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に集積回路チップ試作を行い,設計した集積回路の測定・評価を行う.
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Research Products
(5 results)