2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K12112
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
川鍋 一晃 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主幹研究員 (30272389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼村 厚範 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 研究員 (50580297)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 確率的情報書類 / ライフログ / 異種データの統合解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、異種情報源からなるデータを統合的に解析するため、高コスト・ノイズなどのため間欠的になっているデータから、隙間を補完した連続的なデータを推定する方法論を開発することである。本年度は、以下5点に取り組んだ。第1に、実環境データを離散化して解析する場合には複数のデータセットに対して比較可能なカットオフ点を推定することが重要であるため、ベイズ情報量規準を用いた方法論を応用した(Kanemura et al., 2015)。第2に、日常空間における人の位置情報系列からの個々人の行動パターン抽出は重要なテーマであり、移動履歴データの要約のため、テンソル分解法を用いた(Murakami et al., 2015)。第3に、複雑な欠測が生じ得る質問応答データの欠測推定を行う方法論を行列分解法に基づき開発した(兼村ら2015, 2016)。日常生活中にモバイル端末で利用者に質問する経験サンプリングの手法がライフログ研究でも活用されており、本手法を適用することでその煩雑さ軽減が期待される。第4に、実環境で生体信号を継続的にモニタリングする場合、計測エラーや予期せぬノイズの混入が起こりうるため、時系列データの欠測補完を行った(金子ら2015)。第5に、実環境において脳波と生体信号(心電、皮膚反応、SpO2、眼電)の同時計測を行い、データを取得した。日常生活中の注意レベルやMind Wanderingが幸福度に関連するという英国の大規模調査にもとづき、安静時および持続的注意レベルを調べるための聴覚SART(Sustained Attention Response Task)を行っているときのデータを12名の被験者に対して計測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々なデータの統合解析のための特徴量構築や欠測値推定のための方法論開発、および生体情報データや行動履歴データへの応用を順調に進めている。また、幸福感や心的健康への関連が指摘されている持続的注意レベルについてパイロットデータの取得を行うことができ、次年度のさらなる研究展開に向けて順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して方法論開発および応用を推進すると同時に、本年度あらたに計測したデータの解析を行う。ATRでは異種の脳イメージングデータと行動指標から構成される多人数データを構築・公開予定であり、計画1「ライフログと個性の関連を最大化する特徴空間の同定」では利用可能な外部データを使った研究の効率化も検討する。
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Causes of Carryover |
僅少残額の次年度への持越し。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額が僅少のため、消耗品に充当する。
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Research Products
(10 results)