2015 Fiscal Year Research-status Report
マルチスケール折り紙ロボットの自動設計アルゴリズムと自動製造に関する研究
Project/Area Number |
15K12115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新山 龍馬 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 講師 (00734592)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | おりがみロボット / ソフトアクチュエータ / 自動設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は折り紙構造と容易に統合でき、自動製造に適したシート状アクチュエータを、様々な大きさで自動配置する技術を開発した。また、革新的なマルチスケール折り紙構造を探索するため、昆虫の翅の収納・展開に見られる弾性おりがみ構造について解析を行なった。
折り紙構造と薄型アクチュエータの統合においては、アクチュエータ配置の自動化と設計支援ソフトウェアを開発した。ロボットの望みの形状と動きを入力し、シート状のソフトアクチュエータを自動配置することで、自動設計を実現した。具体的には、入力された形状データから回転部と並進部の幾何学情報を検出し、アクチュエータの拡大縮小と自動配置を行って、ロボットの図面を自動生成した。実際に、提案システムを用いて、多関節ロボットグリッパーの設計支援と製作を行なった。新規な折り紙構造の探索においては、様々なスケールの身体をもつ昆虫の翅に注目した。折り紙構造をもった翅は、素早い収納・展開を可能にし、また一方で飛翔に十分な強度を保っている。翅の立体構造の解析から、折りたたみのための折り目パターンを解析し、実際に折り紙構造として実現可能であることを示した。また、デジタル・ファブリケーション技術を援用することで、翔のフレームおよび膜構造を人工的に再現した。
さらに、折り紙構造の発展として、任意の3Dメッシュモデルを、2次元平面上に展開するアルゴリズムについても検討を行った。展開された型紙は、折り曲げることで3Dモデルを再構築可能であり、ロボットの構造として有望である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
折り紙ロボットの自動設計を行なうアルゴリズムを提案し、実際に動作するロボットを製作することができた。また、生物規範の観点から、生物の身体構造に折り紙構造を見いだし、応用することにも取り組んだ。多様なスケールへの展開は十分でない部分があるものの、一定の見込みを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
マルチスケールという観点では、人間の身長を超える程度のスケールの動く折り紙構造への拡張が必要である。そのためには、より軽量な素材と、強度を保つ新たな仕組みの導入が必要となる。合わせて、展開・収納などの動きが可能な新たな折り紙構造の探索を推進する。
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Causes of Carryover |
今回、導入予定であった設備を共用設備で代用することができ、物品費に余剰が生じた。一方で、成果発表のための旅費が予定より多かった。それらの差額によって次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画中のロボット製作のための消耗品について不足が見込まれ、これを補って研究を遂行するために活用する計画である。
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