2016 Fiscal Year Annual Research Report
A research on a feeling of strangeness - Science of "Otsu" in Japanese traditional culture and crafts -
Project/Area Number |
15K12130
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑原 教彰 京都工芸繊維大学, 総合教育センター, 教授 (60395168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鉄谷 信二 東京電機大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10385479)
井ノ上 寛人 東京電機大学, 公私立大学の部局等, 助教 (40724604)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本の伝統文化 / いけばな / 審美眼 / 違和感 |
Outline of Annual Research Achievements |
違和感は、一般に、「しっくりしない感じ」と受け取られている。評価対象に対して、記憶している内容と実際に見ている対象との比較で、違いを見いだせない状態である。この違和感を生じるコンテンツとして、人物の眼の大きさおよび風景画用を対象に評価尺度を検討した。評価尺度として、1:明らかに変である、2:変である、3:違和感がある、違和感をやや感じる、5:違和感をまったく感じない、を用いることで、2つのコンテンツに対して違和感の定量化を図れた。特に風景画では、実写の富士山と葛飾北斎の赤富士の裾野の長さをパラメータとした結果で、顕著な結果が得られた。 創造的な作業に取り組む人の心理および生体反応を分析した。その結果、(1)デザインの専門的な教育を受けている学生は、理工系の学生に比べて形状と陰影が実際とはちぐはぐに見える構造物(不可能モーションを伴う錯視立体)に違和感を抱くこと、(2)構造物を卓上でより高く組み上げる作業中に心拍数が早まる者は、その作業にストレスを感じずに没頭していることを明らかにし、これらの研究成果を国際学会で発表した。 最後に、3次元コンピュータグラフィックスにより、日本の伝統文化であるいけばな(池坊流)の生花のスタイルを、いけばなの専門家が生けた生け花をモデリング、再現してそれを他の専門家に評価して貰い、いけばなの審美についての評価における3次元モデリングの有用性を評価した。しかしフォーマルなスタイルの生花では、厳密にそのスタイルに沿っていないいけばなは評価の対象以下であり審美の評価までには至らず、3次元グラフィックスの活用への課題が浮き彫りになった。しかし3次元で生け花作品を任意の方向から観察できることについては、有用であると評価する専門家が多かった。
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