2015 Fiscal Year Research-status Report
現場情報に基づく介護サービスの品質モデルと定量評価手法の開発
Project/Area Number |
15K12155
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三輪 洋靖 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 主任研究員 (30367073)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 拓一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人工知能研究センター, 研究チーム長 (80357722)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | サービス工学 / サービス品質 / 介護サービス / モデル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
介護サービスでは、複数の職種のスタッフが連携してサービスを提供しており、その評価は従業員の時間の使い方とサービス品質の両面からの評価が求められている。しかし、サービス品質の評価手法は十分に確立されていなかった。そこで、本研究ではサービス品質計測システムの開発を目指し、サービス品質の構造をサービス利用者および従業員の両面から明らかにすることを研究目的とした。 初年度である平成27年度は、食事介助に対象を絞り、食事介助に関するサービス品質のモデル化と計測システムの開発を行った。具体的には、介護老人保健施設と協力体制を構築し以下の3点を中心に研究を行った。(1)サービス利用者の満足度をモデル化するため、食事介助中の高齢者と介護者の様子、両社の関係について観察した。(2)従業員のサービス提供スキルをモデル化するため、介護士、看護師、理学療法士らへのインタビュー調査およびアンケート調査により、43種類の食事介助における定性的なサービス品質要素の抽出と、抽出された要素の基礎的品質要素、経験的品質要素の2種類に構造化した。(3)サービス品質計測システムを開発するため、品質要素を観察によって調査するクオリティスタディを構築した。そして、携帯情報端末を用いたクオリティスタディ支援するシステムを開発した。最後に、サービス現場での小規模な試用実験を行い、開発したシステムの有効性を確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の計画では、サービス利用者のモデル化、従業員のサービススキルのモデル化、サービス品質計測システムの3つの課題について重点的に取り組む計画であった。この計画に対し、それぞれの項目について計画とほぼ同程度の進捗と成果を得ることできた。以上より、「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる平成28年度は、これまでに得られた成果を統合し、サービス利用者と従業員の認知的関係性のモデル化として、食事介助における両者のタイミングの抽出や認知的関係性の評価モデルの構築を行う。そして、サービス品質計測システムの開発を開発し、サービス現場での評価を行う。また、サービス現場における調査、計測については継続的に実施し、計測ノウハウと知見の蓄積を行う。
|
Causes of Carryover |
当初、サービス品質計測システムの開発のため、携帯情報端末、PC等の情報機器の購入やソフトウェアの開発予算を計上していた。しかし、所属機関で所有の情報機器やソフトウェアを使用することで実験システムを構築することができたため、そのための費用を圧縮することができた。また、ソフトウェアの開発のため、研究補助員の雇用を予定していたが、公募不調のため雇用できなかったため、実験費を圧縮することできた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究では、サービス品質計測システムの開発と評価を目的としている。平成28年度は既存システムに対して大規模な修正を予定しており、携帯端末上で動作するサービス品質計測ソフトウェアやサーバー等のシステム開発を外部委託する予定である。さらに、実験で使用する情報機器としてタブレットサイズの端末(大)とスマートフォンサイズの端末(小)、データ保存用のサーバシステムおよび記録媒体等を購入する。さらに、サービス現場での実験のため、連携している介護施設への旅費、成果発表として国内外での学会発表、研究調査のための旅費として使用する予定である。
|