2016 Fiscal Year Research-status Report
属性グラフ文法に基づいた活動推移を含めた研究情報の高度な蓄積・共有支援手法
Project/Area Number |
15K12165
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
宮寺 庸造 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10190802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 勝一 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (60364395)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 研究情報 / 活動推移 / 情報共有 / 属性グラフ文法 / 情報視覚化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,研究活動推移と研究情報間関係のグラフ視覚化を導入し,属性グラフ文法に基づいた研究情報の蓄積・共有支援手法を開発する.これにより,これまで利用者に負担を強いていた研究情報蓄積の負担軽減と効果的な情報共有を達成する.研究情報の蓄積共有には,研究活動で発生する研究情報とそれらの関係を活動の推移と共に蓄積し,共有し易い,関係の視覚化が要求される.しかしながら,研究活動は多様な活動の積み重ねと推移から成っているため,ある一定のルールを保ちつつ多様な活動にも対応した情報蓄積を行わなければならない.さらに活動の遂行に合わせた情報共有のための視覚化をストレスなく得るためには,効率の良いグラフ描画が要求される.そこで本研究では,属性グラフ文法を活用した支援手法とプロトタイプシステムを開発することで,これら問題点の解決を図る. 平成28年度は,属性グラフ文法に基づいた研究情報蓄積手法および研究情報関係グラフの効率的な描画手法を,次の手順に従い開発した.(1) 利用者の負荷を考慮した研究情報蓄積手法の開発:研究情報関係グラフを構築するための情報蓄積の在り方を検討し,利用者の負担軽減を指向した情報蓄積手法を開発した.(2)研究情報関係グラフの自動描画手法の開発:描画のための制約抽出や属性情報等の精査,効率し,計算量を考慮した計算時間上効率の良いアルゴリズムを開発した.(3) 研究情報蓄積および共有支援のための属性グラフ文法の開発:edNCEグラフ文法を参考に,描画効率を考慮した属性を導入した,属性グラフ文法を開発した.その文法を我々の研究室活動に適用した結果,41個のプロダクション,181個の意味規則で記述できた.(4) 属性グラフ文法に基づいた研究情報蓄積共有支援システムの設計:上記手法を導入したプロトタイプの設計を行い,開発に向けた準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定していた研究課題を達成し,平成29年度のプロトタイプ開発にも着手できたことから,「順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,以下の手順に従い,プロトタイプシステムの開発および評価を行う.
(1) プロトタイプシステムの開発:平成28年度に設計したプロトタイプの開発を行う.設計には実際のシステム開発に携わる人に意見を聞きながら,最新のフレームワークと開発手法での開発を目指す.(2) プロトタイプの運用と評価:開発したプロトタイプの運用とシステムを通した提案手法の評価を行う.運用は組織全体で行い,そこで収集したデータをもとに評価を行う.評価結果をもとにプロトタイプの見直しと改善を図る.(3) 論文・報告書等の執筆:本研究課題の成果を公表にするために,論文投稿の準備,および報告書等の作成を行う. また,年度の後半では,システム開発,運用,評価を含めた執筆や学会発表を行う予定である.
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