2015 Fiscal Year Research-status Report
動きセンサ内蔵積木の試作と子供の遊び方分析への応用
Project/Area Number |
15K12177
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北村 喜文 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80294023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 智昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (30184188)
高嶋 和毅 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (60533461)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ブロックインタフェース / 加速度センサ / 遊戯療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
子供の積み木遊びを計測するために,無線加速度センサを埋め込んだ積木遊び計測システムを構築した.このセンサを用いることで,個々の積木を識別した上で積み木遊びに重要な動きを精度良く取得でき,カメラ等での計測に比べて個体識別や遮蔽の問題が無いこと,さらに構造が簡単であるため頑丈な積み木とすることができる.色付きアクリル樹脂を用いて大小2種類の直方体積木をそれぞれ6個,計12個作製した.各積木に搭載のセンサは,夫々3軸の加速度や角速度を100 Hzで計測し,BluetoothによってホストPCにデータ送信する.これらは積木遊びにおける微細な動きも十分計測できる.子供の積木遊びの中で識別すべき動作は,保護者から事前に承諾を得た5 人の幼児に対する予備実験を通して,8種類11パターンの動作を選定した. 次に,選定した特徴量の積木遊び動作識別性能を評価するために実験を実施した.本研究では幼児などを対象とした遊戯療法場面を想定しているが,ここでは,大人による積木の動作データを取得し識別精度を検証した.実験では,20~26歳の10人に対して,積木を用いて識別対象動作をそれぞれ繰り返し入力するように求めた.そのデータを元にして,グリッドサーチによりSVM (Support Vector Machine)パラメータを算出した上で,ランダム抽出10回交差検定を実施した.ウィンドウ幅0.64 秒ごとの区間に分割し,特徴量を算出した.これらの特徴量を加速度データの三軸成分と大きさ成分について算出した40次元の特徴量ベクトルを用いて,SVMによる動作識別を行った. その結果,参加者別と参加者間のデータに対する平均識別率はそれぞれ86.1%と92.1%であった.学習データのサイズが異なるために単純比較はできないが,他人の動作を含む学習データであっても安定して高い平均識別率が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
積木遊びの最中の積木の動きを定量的に自動分析することができる実用的なシステムの構築を目指して,動きセンサ内臓積木を試作し,加速度データを利用した機械学習による遊びの動作識別について検討した.動作識別結果はまずまずであったが,再検討を要する事項もある.これらの結果をまとめ,研究会で発表することができ,多くの方々と議論できたことはよかった.
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Strategy for Future Research Activity |
実験・検討結果と研究会での議論を踏まえ,動きセンサを用いてさらに幅広い積木遊び中の動作を認識できる新しいシステムを設計し試作する.
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Causes of Carryover |
実験補助者の都合で一部減額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果発表のための旅費の一部として使用予定である.
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