2016 Fiscal Year Annual Research Report
Automatic Generation of Utterances with speaker's characteristics
Project/Area Number |
15K12179
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 理史 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30205918)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 自然言語処理 / ことばのキャラクタ性 / 発話意図 / 表現文型 / 発話文生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、主に、次の項目で成果を得た。 1.日本語表現文型辞書の作成:キャラクタ性を持った発話文の自動生成の実現基盤となる「日本語表現文型辞書」を作成した。この辞書は、「依頼」や「勧誘」といった発話の目的(発話意図)に対して、それを伝達するために使用される日本語の表現文型を整理したもので、50種類の発話意図に対して、のべ675件の表現文型を収録している。それぞれの表現文型に、話し方の特徴を表す情報(8次元ベクトル)が付与されている。これは、4軸の8特徴(男性的・女性的、子供っぽい・大人っぽい、断定的・婉曲的、丁寧・粗雑)に対する、3段階の値(0から2)である。 2.話者の特徴を反映した発話文生成システムの試作:上記の「日本語表現文型辞書」を利用して、話者の特徴を反映した発話文を生成するシステムを試作した。このシステムの基本フレームワークは、「発話内容+発話意図+発話者」→「発話内容+発話意図+話し方の特徴」→「発話内容+表現文型」→「発話文」である。発話者は、「発話意図と話し方の特徴」のセットとしてモデル化し、50種類の発話意図のうち10種類に対して話し方の特徴を与える(話者プロファイル)。明示的に与えられていない発話意図に対する話し方の特徴は、類似度計算により推測する。こうして定まった話し方の特徴と発話意図の組で上記の日本語表現文型辞書を引くと、使用すべき表現文型が定まる。最終的に、それを発話内容と適切に結合することにより、発話文を生成する。小規模な実験において、このシステムが、ほぼ違和感のない発話文を生成できることを確かめた。
|