2016 Fiscal Year Research-status Report
人狼ゲーム研究:他者中の自己モデルを考えた説得的人工知能の開発に向けて
Project/Area Number |
15K12180
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
稲葉 通将 広島市立大学, 情報科学研究科, 助教 (10636202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥海 不二夫 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30377775)
片上 大輔 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (90345372)
大澤 博隆 筑波大学, システム情報系, 助教 (10589641)
篠田 孝祐 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (90533191)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ゲーム情報学 / 人狼ゲーム / 対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲーム情報学の技術発展は,社会的なインパクトだけではなく,並列計算や情報探索などの技術にも多大な貢献をもたらしてきた.近年,コンピュータは二人完全情報ゲームにおいて人間を圧倒しつつあり,次の研究対象となるゲームが模索されている.そこで申請者らはコミュニケーションゲームとして知られる「人狼ゲーム」に着目した.人狼ゲームは他者とのコミュニケーション能力が勝敗を分ける. 人狼ゲームは会話のみから相手の意図を理解し,背景を推理し,協調し,時には説得を試みるといった,我々の持つ極めて高度な知的能力を駆使して行うゲームであり, 今後,人工知能が社会に浸透するうえで大きな障壁であるコミュニケーションの課題を多分に含んでいる. 本研究では人狼ゲーム研究を通じ,大会開催による集合知を集めることで,人工知能による人との高度なコミュニケーションの実現のための課題に取り組んでいる. 本年度も8月にパシフィコ横浜で開催されたCEDEC2016において,2回目となる大会を開催した.大会予選の登録チーム数は前回を大幅に超えた98チームであり,聴衆も400人を超えるなど,大きな注目を集めた大会となった.また,出場したエージェントの性能も大きく向上しており,一定の目標を達成した. また,人狼プレイヤーから収集したアンケートをもとに,他者の心理モデル及び他者から見た自己のモデルを備えた階層的心理モデルを備えるエージェントを構築し,評価を行った.また,国際会議において本研究成果を報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りに進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は大会においてプロトコルではなく,自然言語でコミュニケーションを行う部門を追加で設置するとともに,自然言語エージェントの検討を実施する.
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Causes of Carryover |
国内での打ち合わせの回数が予定よりも少なくなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
打ち合わせのための旅費として使用予定.
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