2017 Fiscal Year Research-status Report
アポトーシス細胞におけるクロマチンの細胞表層露出のメカニズム解明
Project/Area Number |
15K12210
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
岩淵 邦芳 金沢医科大学, 医学部, 教授 (10232696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂谷 優実 金沢医科大学, 医学部, 講師 (70581057)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 53BP1 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
53BP1は、Tudor domainを介してDNA二重鎖切断(DSB)部位に出現するメチル化ヒストンH4(H4K20me2)と結合し、DSB部位に集積する。53BP1のTudor domainは、Tudor-interacting repair regulator(TIRR)に覆われており、DSBが発生するとATMによる53BP1のリン酸化依存性にTIRRがTudor domainから離れTudor domainは露出する。一方、H4K20me2はJMJD2AまたはL3MBTL1に覆われているが、DSBが発生すると、ユビキチンリガーゼであるRNF8とRNF168依存性に、JMJD2Aは分解され、L3MBTL1はH4K20me2から離れる。 我々は、アポトーシス細胞において53BP1がカスパーゼ依存性にTudor domain を含んだ60 kDaのC末断片になること、この53BP1C末断片がクロマチンと共に細胞表層へ露出することを見出した。アポトーシス細胞においても53BP1はTudor domain を介してヒストンH4と結合している可能性があるが、クロマチンの細胞表層露出は、RNF8、RNF168非依存性であった。即ち、アポトーシス細胞においては、DSB発生時とは異なる機序でJMJD2AおよびL3MBTL1がH4K20me2から離れることが考えられた。 今年度は、Jurkat細胞にTIRRを強制発現させ、アポトーシス細胞におけるクロマチンの細胞表層露出の程度を調べた。その結果、TIRRを強制発現させたアポトーシス細胞では、コントロールのアポトーシス細胞に比べ、クロマチンの細胞表層露出が減少した。クロマチンの細胞表層露出は、53BP1のTudor domainとH4K20me2との結合依存性であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
JMJD2AとL3MBTL1の強制発現と、それを含めたアポトーシス解析がうまくいっていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
53BP1を細胞質から細胞膜へ移動させるモータータンパク質を同定するために、アポトーシス細胞において免疫沈降実験を行い、53BP1と共沈してくるモータータンパク質候補をスクリーニングする。
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Causes of Carryover |
研究分担者に入院期間が生じ、アポトーシスの解析に遅れが生じたため次年度使用額が生じた。次年度は、アポトーシス解析の物品費として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)