2015 Fiscal Year Research-status Report
環境汚染物質に対する自発集積能を有する高感度汚染検出システムの構築
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15K12221
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Research Institution | Okazaki Research Facilities, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
青野 重利 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (60183729)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | センサータンパク質 / センサー型転写調節因子 / X線結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究においては、センサー型転写調節因子を基盤とし、重金属イオンに対する高感度なセンシング能をもった転写調節因子をデザイン・創製することを目的の一つとして掲げている。本年度の研究では、重金属イオンを高感度にセンシング可能なセンサータンパク質の候補として、銅イオンセンサー能を有するセンサー型転写調節因子の取得、ならびにそれら銅イオンセンサータンパク質の構造と機能の解明を目的として研究を実施した。 ゲノム配列データの検索を行い、4種の高度好熱性古細菌(Sulfolobus solfataricus、Sulfolobus acidocaldarius、Pyrococcus furiosus、Thermoplasma volcanium)より銅イオンセンサー能を有する転写調節因子をコードしていると推定されるcopR遺伝子をクローニングした。クローニングしたcopR遺伝子をT7プロモーター下流に挿入し、CopRタンパク質発現系の構築を行った。調製した発現系を用いてCopRタンパク質の発現を検討した結果、Sulfolobus solfataricus由来のCopR(SsCopR)およびThermoplasma volcanium由来のCopR(TvCopR)では目的タンパク質の発現が確認されたが、Sulfolobus solfataricusおよびPyrococcus furiosus由来のCopRではタンパク質発現が観測されなかった。以後の実験は、最も高効率で発現が観測されたTvCopRを対象として実験を進めた。アポ型として精製されたTvCopRの結晶化スクリーニングを行ったが、現時点ではTvCopRの結晶化条件を見出すには至っていない。今後は、TvCopRの結晶構造解明に向けて、さらなる結晶化条件の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請研究の目的を達成するために必須な重金属イオンセンサータンパク質として、銅イオンセンサー能を有するCopRタンパク質の発現系構築、および発現したCopRの精製に成功しており、CopRの構造決定のための実験も既に開始している。これらの結果を勘案すると、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、TvCopRの結晶化条件スクリーニングを引き続き実施し、できるだけ早期に最適な結晶化条件を見出し、TvCopRの決勝構造を決定する。決定した結晶構造をもとに、金属イオンセンサー部分に系統的なアミノ酸変異を導入した一連の変異体を調製し、より高感度なセンサータンパク質、およびセンシング対象を他の重金属イオンにまで拡張したセンサータンパク質等の調製をおこない、当初の目的達成を目指す。
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Research Products
(12 results)