2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K12227
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
姫野 修司 長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60334695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮越 昭彦 旭川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10249724)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゼオライト |
Outline of Annual Research Achievements |
大幅に二酸化炭素(CO2)の排出を抑制するためにCO2回収・貯留技術など革新的なCO2分離・回収技術が必須である。そのための最大課題は、コスト中で70%と最も大きく占める『希薄なCO2と他のガスとの分離の省エネルギー化と効率化』である。CO2分離法(吸収法、蒸留法、吸着法、膜分離法)の中で、唯一相変化を伴わない膜分離法が最もエネルギー効率が高くCO2分離膜は世界中で鋭意開発されている。本研究ではCO2とCH4の分離において高い性能を有すDD3Rゼオライト膜のと同様の骨格構造を有し、構造中にアルミを含有した新たな酸素8員環CO2分離膜の創製を目標にしている。 当該年度では、所定のシリカ源、アルミ源、構造規定剤、溶媒比率で調整し、水熱合成を行うことで、これまでにSi/Al=∞、365、75、40の合成に成功し、Si/Al比が小さいほど(Al含有量:大)合成時間を要し、粒形も小さくなることが確認できた。また、合成時の撹拌有無により結晶形状が異なることも判明した。比表面積や細孔容積など基本的な多孔材の評価を行い、合成したアルミ含有率の異なるZSM-58結晶はDDR構造を有するDD3Rゼオライト結晶と同様の比表面積、細孔容積を有する結晶の合成に成功した。また、これらの結晶を出発原料にし、DD3Rゼオライト結晶の合成も可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した実験を行い、所定の結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ZSM-58の膜化に適した基材の選定するために、多孔質アルミナ、多孔質ジルコニアなどのゼオライト膜に適していると言われている多孔質材料から最表層の細孔径、気孔率などゼオライト膜の合成に必要な条件についてZSM-58の結晶成長に合わせて決定する。その際に、ZSM-58はこれまでのオールシリカDD3R結晶と結晶成長が異なるため、膜基材への製膜には新たな膜基材の選定と製膜技術が必須となることが想定される。
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Causes of Carryover |
当初、合成に成功した材料の構造を決定するためにNMR分析を委託する計画であったが、計測予定の結晶合成条件を見直す必要が生じ、未実施であるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度NMR分析を実施する事で、当初予定した研究成果を得る事が可能である。
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