2017 Fiscal Year Research-status Report
微細構造を付加した散乱性媒体による環境表面の反射指向・波長特性の制御
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15K12231
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
吉田 篤正 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60174918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 進一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70263209)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヒートアイランド / 緩和策 / 適応策 / 再帰反射 / 指向反射 / 壁面 / 人体熱負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
壁面から大気への熱負荷を抑えるともに反射日射の街路空間への影響を緩和するには,壁面での反射率を高めるだけでなく,日射の入射方向に反射できる再帰反射性を有する材料の導入が必要となる.こうした材料の普及を図るうえで,材料を施工した場合のヒートアイランド緩和効果ならびに屋外に滞在する人への影響を予測することは重要なことである. 本研究では,壁面に対して再帰反射性壁材が施工された状況を想定し,外壁材の日射反射特性,特に反射指向性が壁面近傍における人体への熱的影響について数値解析により評価する. 人体熱負荷に対する壁面からの影響を検討した.壁面からの距離が大きくなるに従い,大きくなる傾向があるが,大きな変化はなかった.壁面が完全拡散反射面であるとして,上方・下方とも日射反射率が等しい場合の人体熱負荷への影響を検討した.その結果,半球日射反射率が高くなるほど,地表面方向への反射の影響が強くなることに伴って,人体熱負荷が増加することがわかった.半球日射反射率を一定に保ち,上方日射反射率を変化させた場合,上方への反射日射の割合が大きくなるにつれ,人体熱負荷が下がることがわかった.人体熱負荷の大きな部分は上空からの直達日射で,この条件では天頂面と背面への負荷が大きくなることは確認した.一方,壁面での反射を含めた拡散日射に関する人体モデル各面への取得エネルギーを求めた.背面,下面以外の4面について,負荷が軽減されており,特に正面への影響が軽減されることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
散乱性媒体を考慮したふく射輸送解析について一定開発が進んだが,試験体の作成が遅れている.従って,解析結果と実験結果の比較ができていない.遺伝的アルゴリズムに基づく最適化手法を応用し,多層で構成される複雑なパラメータの組み合わせから,要求する仕様に最も適した条件を探索する項目について,検討が不十分である.
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Strategy for Future Research Activity |
実験を行う試験体の作成を行う.遺伝的アルゴリズムに基づく最適化手法を応用し,多層で構成される複雑なパラメータの組み合わせから,要求する仕様に最も適した条件を探索する項目について,完成を目指す.
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Causes of Carryover |
(理由)試験体の作成が遅れたため,それに関わる物品費の支出が研究計画を下回った。
(使用計画)繰り延べした物品費の執行を検討する.
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Research Products
(2 results)