2015 Fiscal Year Research-status Report
ナノチューブを足場とした高活性複合材料を用いた水中有害イオンの吸着浄化
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15K12235
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
張 振亜 筑波大学, 生命環境系, 教授 (20272156)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノチューブ / 汚染物吸着除去 / 高吸着材料 / 重金属イオン / 水汚染 / アンモニア除去 |
Outline of Annual Research Achievements |
主にナノチューブの吸着物質の研究を行った。複合的ナノ構造の合成、構造改変方法を探り、複合的ナノ構造の物理化学特性及び表面特徴の分析を行った。As、F の水中有害汚染物をターゲットとして、吸着能力(mg-As、mg-F/g-吸着材料)、比表面積(m2/g)、親水性(濡れ面 積率%)の高い材料をスクリーニングした。 主に金属酸化物活性付きの吸着成分をナノ粒子の形でその表面に分散附着させる技法を確立し、ナノ構造の物質を合成した。さらに、水溶液中のアンモニアや重金属イオン汚染物質に対して、複合したナノ構造材料の吸着除去性能を実験で検討した。その結果、赤玉土で焼結したセラミックスより数倍以上の吸着除去性能を得た。複合的ナノ構造の物理化学特性及び表面特徴の分析をSEM、TEM、EDX、XPS を用い、ナノチューブ及び合成した複合的ナノ構造材料について表面のマクロ分析を行った。さらに、筑波大学の機器分析センターにある BET (Brunauer-Emmett-Teller)を用い、ナノ構造材料の比表面積及び気孔、孔径分布などを分析した。 合成した材料の比表面積と吸着除去性能の相関関係を解析し、得られた情報を整理して、研究成果の一つとして論文の形で投稿する予定である。 今年の研究重点は、硼素を中心とするナノ複合材料の合成をし、汚染物質の吸着除去能力の高い材料の作成をする。作成した材料を用いて重金属、アンモニアなどの吸着を実験し、吸着動力学的解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の材料合成や合成した材料の空積率、直径分布、吸着除去機能の測定などを、概ね計画の通り実施した。合成した材料を用いて、重金属イオン、アンモニアの吸着実験を行った。吸着率と合成した材料の比表面積の相関関係を、実験データを用いて、解析中で、その結果を論文として纏め、掲載予定である。 一年目で得られた知見を用いて、今年、構造改変、金属イオンの付着など手法を用いて、金属イオン吸着能力の高い材料、アンモニア吸着能力の高い材料を作成することを、今年の重点となる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画の通り、最大の吸着能力のナノチューブ材料を作成し、水汚染物である重金属の吸着除去、アンモニア吸着の実験を行い、今までの吸着材料の数倍あるいは数十倍の吸着能力の材料開発を狙う。そのため、二つ班をわけ、一つ班は材料の作成と解析、もう一つ班は作成した材料を用いて、重金属の吸着、アンモニアの吸着実験をし、吸着プロセスに対し、動力学的解析を、同時に行うことで、研究の目標の実現を確保できると考える。
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Causes of Carryover |
ピペットチップを購入した際に、消費税などの計算間違いで、34円の次年度使用額を生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度、研究の為、ピペットチップを購入するときに、34円を次年度分の請求した助成金と合わせて使用する。
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