2016 Fiscal Year Annual Research Report
Optimization of collagen extraction method using small amount of chemical reagent
Project/Area Number |
15K12249
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑原 順子 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (40289351)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コラーゲン / ゼラチン / コラーゲンペプチド / 魚鱗 / 抽出法 / 人工太陽光照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
本応募課題の目的は、従来の抽出法と比べて簡便、かつ低コストであり、薬剤残留性の少ないより安全な魚由来のコラーゲン抽出法を開発し、その反応機構についても明らかにすることである。具体的には、水産加工残滓を粉砕し、水溶液中で物理的処理を施した一定の条件下にて抽出する手法の確立を目指す。化粧品等の原料、細胞培養の基材にもなり得るコラーゲンは、原料から酸やアルカリ、酵素等による薬剤抽出後、精製の為にイオン交換樹脂など高価な材料が使用されてきた。しかしながら、高コストかつ使用薬剤の残留性があるため可能な限り薬剤を使用しない抽出法の確立が期待されていた。そこで、平成27年度はティラピア鱗を希薄な酢酸に浸漬後、物理的処理による抽出を試みたが、通常の酸抽出法と比べて収率は変化がなかった。そこで平成28年度は、鱗を工業用ミルで破砕し、さらに人工太陽光照射、加温処理による抽出条件の複合的検討を行うことにした。ただし、薬剤を全く使用しない溶液条件では抽出効率が低かったため、0.1Mの塩酸中で全ての実験を実施した。その結果、破砕+加熱40℃の条件では、収率は80%以上と大きく向上したが、SDS-PAGE、GPCの結果よりコラーゲンではなくコラーゲンが断片化されたコラーゲンペプチドである可能性が示唆された。ただし、破砕+加熱条件の試料に人工太陽光を照射すると断片化されたコラーゲンペプチドの分子量分布が高分子側へシフトし、再架橋が生じたことがGPCより明らかとなった。なお、平成27年度の推進方策として検討していたシリウスレッドによるコラーゲンの定量は、抽出の結果、より低分子化されたコラーゲンペプチドであり、シリウスレッド法では定量困難であることが判明したためGPC法に変更して抽出成分の分子量分布を評価することにした。
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