2015 Fiscal Year Research-status Report
安全且つ迅速にCI粒子をCIS太陽電池ナノ粒子化する技術の開発と太陽電池塗布形成
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15K12259
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 英志 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (90312652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 俊 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (30706809)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 低炭素社会 / CIGS太陽電池 / 水溶液中合成 / 塗布 / ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、“塗る”という簡単な操作でCIS太陽電池を形成することを目的に、世界で初めて常温の水溶液中でCuIn(以下CI)合金ナノ粒子を合成し、それを用いて太陽電池を形成できること、を明らかとしている。しかしながら、我々の手法に限らず、CI若しくはCIG合金膜を太陽電池化するためには「猛毒のセレン化水素」「安全を担保した大掛かりな装置」「熱エネルギー供給」を利用しCIS若しくはCIGS化する、即ち、「塗布した後に大規模な処理」が必須であり、これでは太陽電池の塗布形成ではない。そこで本研究では、CI合金ナノ粒子を「セレンフリー若しくは加熱フリー」「大型装置フリー」でCIS太陽電池ナノ粒子化する技術を構築し、それを塗布するだけでCIS太陽電池を形成する技術を開発すること、を目的としている。 この様な観点から、本年度は、CI前駆体ナノ粒子を水溶液中で処理してCIS化する事を試みた。なお、開発を目的としていることから、Seよりも毒性が低いSを用いた。S源としてNa2S水溶液を用いた場合、Cuは硫化可能であるが、Inは硫化物イオンとの錯体を形成し、材料中にとどまることが出来ないことが明らかとなった(対策は以下に記載)。一方、S源としてチオ尿素を用いた場合は、ある程度の硫化は可能であるものの、酸化の抑止が必須であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水溶液中での硫化を進めるために必要な情報を得ることに成功した。但し、溶解を伴う反応が進行しており、これを抑止するために、溶解度の差を利用する等の技術開発が追加で必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のとおり、硫化中に溶解を伴う反応が進行しており、これを抑止する手法が必要である。溶解種は硫化インジウムであるため、反応溶液中の硫化インジウムの溶解度の差を利用し、溶解を抑止する手法を開発する。
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Research Products
(1 results)